自身のツイッターで停戦を呼びかけるアーノルド・シュワルツェネッガー(@Schwarzenegger)より
元米カリフォルニア州知事で俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー(74)が17日、ツイッターに動画を投稿し、ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領に「あなたがこの戦争を始め、その先頭に立っている。止めることができるのはあなただ」と一刻も早く停戦を決断するよう呼び掛けた。
シュワルツェネッガーはロシアで根強い人気を誇り、ロシア大統領府のツイッターアカウントもフォローしている。動画はロシア語の字幕付きで約9分。再生回数は18日夜の時点で2200万回を超え、リツイートは約34万回となっている。
有名人による反戦メッセージとして異例なのは、自身の家族の過去にも踏み込んでいる点だ。
オーストリア出身のシュワルツェネッガーは、父親が第2次世界大戦でナチスに所属していたと明かし「父がレニングラードに到着したとき、彼は自分の政府がついたウソに熱狂していました」と説明。戦後は、銃弾による負傷の痛みと戦争に加担した罪悪感で「残りの人生を痛みとともに生きました」とし、ロシア兵に「私は、皆さんに私の父のように壊れてほしくない」と語り掛けた。これまで父親がナチスに属していたことを積極的には話していなかった。
また、自身のヒーローは重量挙げで人類初の200キロを持ち上げたロシア人のユーリ・ウラソフだとし、自身が「愛着と尊敬の念を持つ」ロシアの市民に「真実を伝えたい」と強調。「ロシアはその残忍性のために国際社会から孤立している」と話し、ウクライナで多くの女性や子供、高齢者が国を逃れるなど「人道上の危機」が生じているとした。
そして「これはあなたの祖父や曽祖父が戦ったような、ロシアを守るための戦争ではありません。違法な戦争なのです」とウクライナを「非ナチ化」するとしているロシア政府の主張を「プロパガンダや偽情報」と理解するよう人々に促した。
自身の経験やルーツをつまびらかにした世界的俳優のメッセージ。インターネット上では「どうかロシアの人々に届いてほしい」との声が上がっている。