名古屋市瑞穂区で3月、小学生2人が車にはねられ死傷した交通事故で、亡くなった小学3年女児(当時9歳)の父親が6日、代理人弁護士を通じてコメントを公表し、「私たちは、娘と最期の言葉を交わすこともできませんでした」と無念さをにじませた。
名古屋地方裁判所
父親は「娘と一緒に過ごした時間は、かけがえのないものでした。いつも娘が中心にいてその周りはたくさんの笑顔で溢(あふ)れていました」と振り返り、「これから始まる公判において、真相が明らかになることを期待しています」とつづった。
起訴状などによると、事故は3月24日、瑞穂区の交差点で発生。横断歩道を渡っていた小学3年女児が乗用車にはねられ死亡し、小学4年女児(当時10歳)が内臓損傷の重傷を負った。
名古屋地検は先月14日、乗用車を運転中、赤信号を見逃して交差点に進入したとして同市千種区、無職の被告の男(51)を、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)で名古屋地裁に起訴している。初公判は今月27日に行われる予定。
コメントを公表した理由について、代理人弁護士は「時間が経過し、遺族の気持ちに変化があった」と説明している。