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5月9日(月)17時33分頃、伊勢湾で深発地震がありました。震源の深さは約340km、地震の規模(マグニチュード)は5.1と推定されます。この地震で、宮城県から神奈川県にかけての各地で震度2~1の揺れが観測されました。
関東や東北の太平洋側に揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布ですが、たびたび起こることであり、地震活動そのものは異常ではありません。
深発地震による異常震域とは
深発地震による異常震域の模式図
今回の地震は非常に深い所で発生する「深発地震」と呼ばれるものです。
多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。震央の近傍では揺れが小さくても、遠方に強い揺れが伝わることがあるため注意が必要です。
今回の地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って、北日本や東日本の太平洋沿岸に揺れが伝播したものと考えられます。
深発地震では津波の可能性は小さく、一般的に震源が100kmより深い地震ではほぼ津波の心配はないと考えられます。
オホーツク海や日本海、三重県南東沖から東海道南方沖、鳥島近海などでは同様の深発地震が発生することがしばしばあり、数年に一度M6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
1984年1月1日には三重県南東沖でM7.0の地震が発生し、東京都千代田区や横浜市で震度4を観測しました。こうした地震は津波の発生こそないものの、大きな揺れを伴うことがあるため、注意が必要です。
南海トラフ巨大地震とは別要因
日本列島周辺のプレート
今回の地震は、震源の深さが速報値で約340kmと解析されています。日本海溝/伊豆・小笠原海溝から西に向かって沈み込む太平洋プレートの周辺で発生した地震とみられます。防災科学技術研究所の速報解析では、東西方向に圧力軸を持つ逆断層型の地震とみられます。
一方、一般的な「南海トラフ巨大地震」はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む境界付近で発生する地震で、想定される震源の深さは10kmから40km程度とされています。今回の地震の発生メカニズムは、南海トラフ巨大地震とは別要因と考えられます。
また、地震の規模からは、誘発地震の危険性などは小さいと考えられます。
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