地方の「老朽駅舎」が超簡素に変貌! コスト削減の痛い代償、「トイレがない」と悲鳴も


JR四国で進む駅舎の取り壊し

地方の「老朽駅舎」が超簡素に変貌! コスト削減の痛い代償、「トイレがない」と悲鳴も

超簡素に変身する前。在りし日の府中駅の木造駅舎(画像:(C)Google)

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 一方、JR四国では、老朽化した駅舎の取り壊しが進んでいる。

『徳島新聞』2022年5月3日付朝刊によると、2014年度以降、四国4県では12の駅が取り壊された。中でも徳島県は12駅中8駅が取り壊され、アルミ製の屋根と囲いだけの待合室に変わった。徳島線の府中(こう)駅の場合、1899(明治32)年の開設当初からの木造駅舎が存在していたが、2021年9月に取り壊された。文化財的な価値も議論されそうだが、そこには至らなかった。

「徳島市地域交通課によると、2016年8月、同市内の府中、吉成など4駅の駅舎の利活用についてJR四国から相談があった。庁内で活用策を検討し、災害時の避難場所とする案などが出されたが、具体化しなかった。府中駅については20年6月、駅舎改築について協議の申し入れがあり、市は改築に合わせ、放置自転車が問題となっていた駅前に約120台収容の駐輪場を整備することにした。古い駅舎については「特に使い道がなく、残す方向での検討はしなかった」とする。このため、府中駅の周辺では、駅舎が無くなるまで建て替えを知らなかった地元住民は少なくない」(『徳島新聞』2022年5月3日付朝刊)

 なお、JR四国では建て替え後の簡素な施設も時刻表などの最低限の設備を有していることから「駅舎」と呼んでいる。

簡素化の「ローカル基準」

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JR西日本米子支社(画像:(C)Google)

 JR西日本米子支社管内では、2020年以降121駅のうち半数以上を対象に地元自治体との協議を実施している。『山陰中央日報』2020年9月4日付朝刊によると、同支社の場合は対象となる駅の基準と対策を次のように定めている。

●簡素化の基準
・1日平均乗降客数3000人未満、築60年以上

●改修の方法
1:JRが簡素な駅舎に建て替える
2:地元自治体が譲渡を受けて改修
3:JRが解体し、地元自治体が新築

 管内のうち、鳥取市内では2021年度以降、11駅が簡素化対象となり、利便性の低下が懸念されている。そのため鳥取市議会でも駅舎を市の所有として維持することが検討されたが、新たに実行するのは困難と判断され、JR主体で整備し、利便性の維持を要望するにとどまっている。



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