「3つの不祥事」で与党追及も…弱気隠せぬ野党 不信任案に二の足


記者団の質問に答える立憲民主党・蓮舫副代表兼参院幹事長=17日午前、国会内(春名中撮影)

 夏の参院選を間近に控え、立憲民主党が老後資金の「2000万円問題」、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に関する防衛省のミス、政府の国家戦略特区をめぐる疑惑報道の3つに焦点を絞り政府・与党への追及を強めている。ただ、政府全体が批判の対象であるにもかかわらず、安倍晋三内閣不信任決議案の衆院提出には二の足を踏んでおり、迫力不足は否めない。(内藤慎二)

■2000万円、地上イージス、特区疑惑報道

 「前代未聞だ。安倍政権のご都合主義はここまでなってしまったのかというのが、国民の多くが思っている正直な気持ちだと思う」

 立憲民主党の蓮舫副代表は17日、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とした金融庁金融審議会の報告書の受け取りを拒否する麻生太郎金融担当相をこう激しく批判した。

 蓮舫氏はイージス・アショアの配備候補地を調査する過程でデータに誤りがあった問題についても「ずさん以外の何ものでもない。岩屋毅防衛相の謝罪だけで済まされる問題ではない」と非難した。同党は麻生、岩屋両氏への不信任決議案提出を検討している。

 逢坂誠二政調会長は、毎日新聞が報じた政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の「疑惑」に関しツイッターで「国家戦略特区は完全にブラックボックス化している」と批判する。この3点について、辻元清美国対委員長は13日の代議士会で「街頭演説でも訴えていく。通常国会の閉会まで約2週間。最終コーナーを曲がった」と強調し、厳しく追及する考えを示した。

■「大義」警戒、見透かす与党

 立憲民主党の鼻息は荒いが、強気の裏には弱気が垣間見える。首相に衆院解散か内閣総辞職かを迫る内閣不信任決議案の提出に慎重だからだ。枝野幸男代表は「参院選に挑むので、問責決議案を参院に出すのが筋ではないか」と語るが、問責決議案には法的拘束力がない。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は内閣不信任決議案について「解散の大義となる」として野党を牽制する。立憲民主党が提出を見送れば、衆院選に自信がないと受け止められかねない。自民党の萩生田光一幹事長代行は17日の記者会見で、野党第一党の弱気を見透かしたようにこう皮肉った。

 「通常国会では内閣不信任決議案が出されるのが常だ。今回だけどうして問責決議案なのかなあ」



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