参院選で注目を集める参政党は、「次期総選挙後には与党入り」を掲げるなど勢いを見せています。しかし、その内部では、元秘書の自殺という衝撃的な出来事や、「言論封殺」ともとられかねない異例の訴訟が進行しており、党の内情が揺らいでいます。
元秘書の証言:退職に至る経緯と党内対立
参政党の元秘書である20代のBさんは、2022年9月に党職員として採用され、翌年2月からは神谷宗幣代表の秘書も兼任しました。しかし、わずか9カ月後に退職に至っています。Bさんは、神谷代表が元中部大学特任教授の武田邦彦氏ら当時の幹部と対立し、結果的に彼らを「追い出してしまった」ことなど、相次ぐ内部の出来事によって不信感が募り、党を離れる決断をしたと語っています。
衝撃の元秘書自殺と神谷代表へのパワハラ疑惑
Bさんが参政党を退職した翌月の2023年12月、Bさんが慕っていた50代の元女性秘書Aさんが突然、自ら命を絶つという悲報が報じられました。Aさんは神谷代表の秘書を務めた後、党務に従事していましたが、2023年9月に退職。そのわずか3カ月後の出来事でした。参政党関係者やBさんの証言によれば、Aさんの自殺の背景には、神谷代表による「パワハラ的言動」があったとささやかれています。
Bさんは、Aさんと同じ苦しみを抱える人が他にもいるかもしれないという思いから、YouTubeチャンネル「巫女ねこちゃんねる」の動画に出演し、状況を告発しました。動画内でBさんは、Aさんが党のタウンミーティングの集客状況について神谷代表から「どうしてなんだ」と厳しく問い詰められ、全体会議での発言時も声が震え、神谷代表にすっかり萎縮していた様子だったと証言しています。
参院選で存在感を増す参政党の神谷宗幣代表。内部では元秘書の自殺やパワハラ疑惑、そして異例の訴訟問題が報じられている。
進行する訴訟:情報漏洩の疑いと「口封じ」の指摘
元秘書の自殺の背景を語るBさんは、参政党にとって「目障りな存在」に他ならなかったと見られています。党は、約1年しか在籍していなかったBさんを提訴。訴訟の中で、参政党は「巫女ねこちゃんねる」で公開された党の定例会議の会話録音などをBさんが流出させたと一方的に断定し、Bさんに対し録音データ等の返却と秘密保持に関する誓約違反による債務不履行として、300万円の損害賠償金の支払いを求めています。
しかし、Bさんは「私はそもそも、そんな録音は持っていませんし、誰かに渡してもいません。会議には何人も出席していたのに、なぜ私だけがデータ流出の犯人に仕立てあげられたのか疑問です」と反論。この訴訟には、Bさんの発言を「口封じ」しようとする意図があるのではないかと指摘しています。
まとめ
参政党は次期総選挙での与党入りを目指し、その存在感を増す一方で、元秘書の自殺、神谷宗幣代表へのパワハラ疑惑、そして進行中の情報漏洩を巡る異例の訴訟といった内部問題を抱えています。これらの問題は、党のガバナンスと透明性、そして組織としての信頼性に大きな影を落としており、今後の動向が注視されます。