参院選の公示が有力視される7月4日まで、20日でちょうど2週間となる。茨城選挙区(改選数2)には5人が立候補を予定し、選挙戦を見据えた集会などの動きが活発さを増している。改選2人区は与野党が議席を分け合う「指定席」と評されることが多い。ただ、旧民進党の分裂後初めてとなる今回の参院選は野党側が混戦模様で、「イス取りゲーム」が熱を帯びそうだ。
茨城選挙区は、自民党現職の上月良祐氏(56)が先行し、立憲民主党新人で元経産省職員の小沼巧氏(33)、共産党新人で元県議の大内久美子氏(69)、日本維新の会新人で前那珂市長の海野徹氏(70)らが追う構図だ。
改選2人区では、野党第一党の公認候補は手堅く戦いを進めるケースが多いが、今回の茨城選挙区は事情が異なる。立憲民主、国民民主両党県連と連合茨城は一時、国民民主党の女性県議を擁立することで大筋合意していたが、立憲民主党本部が覆し、小沼氏の公認を決めたからだ。
候補選考の過程で生じた遺恨は埋めがたく、国民民主党県連と連合茨城は小沼氏の推薦を見送った。同党県連代表の浅野哲衆院議員は13日の記者会見で「立憲民主党の都合でひっくり返された経緯から推薦は見送ると判断した」と語り、根深い不信感をにじませた。
茨城県の連合組織の主軸は、参院選で国民民主党を支援する電機連合だ。
連合関係者は「旧民進党時代、連合傘下の産業別労働組合は、自らと立場の異なる候補でも『民進党が公認しているから』と考えて支援してきた。党が分裂した今、国民民主党系産別が立憲民主党候補を同じ熱量で応援するとはかぎらない」と語る。
加えて、立憲民主党は立候補表明の出遅れも際立っている。上月、大内両氏が昨年、海野氏が今年4月末に出馬が決まったのに対し、小沼氏は5月末にずれ込んだ。