2014年にメキシコ・ゲレロ州で失踪した学生43人の写真を手にした家族。首都メキシコ市で(2014年12月24日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】メキシコ南部ゲレロ(Guerrero)州で2014年に学生43人が失踪した事件で、当局は19日、物議を醸した捜査を主導していたヘスス・ムリジョ・カラム(Jesus Murillo Karam)元検事総長を逮捕した。
【写真】今回逮捕されたヘスス・ムリジョ・カラム元検事総長
学生たちはデモに参加するためバスで首都メキシコ市に向かっていたが、汚職警官に拘束された後、対立組織の構成員と間違えられて麻薬組織「ゲレロス・ウニドス(Guerreros Unidos)」に引き渡されたとされるが、実際に何が起きたのかは議論の的となっている。事件は国民に衝撃を与え、国際社会からの非難を浴びた。
元検事総長は、本件絡みで逮捕された人物の中で最も高位。かつて与党だった制度的革命党(PRI)の有力者でもあった。
検察によれば、元検事総長の逮捕容疑は強制失踪、拷問、司法妨害。他に軍人20人、行政・司法官5人、警察官44人、ゲレロス・ウニドスの構成員14人にも逮捕状が出されており、いずれも組織犯罪、強制失踪、拷問、殺人、司法妨害の容疑がかけられている。
元検事総長は、2015年に当時のエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領が発表した調査報告書の考案者とされる。
この報告書によると、麻薬組織は学生らを殺害し、遺体をごみ処理場で焼却したとされる。だが、この調査結果については、遺族だけでなく独立専門家や国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)も疑問を呈していた。【翻訳編集】 AFPBB News