米国務省のオブライエン制裁調整官は2日、ロシアが西側諸国による軍事目的などに使用されるハイテク製品への制裁をかいくぐろうとしているものの失敗し、海外からの資金調達に苦しんでいるという認識を示した。6月21日撮影(2022年 ロイター/Vitaly Nevar)
[ブリュッセル 2日 ロイター] – 米国務省のオブライエン制裁調整官は2日、ロシアが西側諸国による軍事目的などに使用されるハイテク製品への制裁をかいくぐろうとしているものの失敗し、海外からの資金調達に苦しんでいるという認識を示した。
オブライエン氏は、欧州連合(EU)当局者との会合のために訪れているブリュッセルで記者団に対し、対ロシア制裁が「機能している」とし、「ロシアが機器や資金を入手しようとしていることは把握しているが、うまくいっているとは考えていない」と語った。
ロシアのプーチン大統領はこれまでに、制裁によるロシア経済への影響を認めつつも、西側の「経済電撃戦」は失敗したと発言している。
一部のEU当局者は、中国やインドが軍事目的に使用できる機器をロシアに販売し、制裁回避を手助けする可能性を懸念している。しかしオブライエン氏は、そうしたロシアの試みは失敗しているとし、「ロシアは見知らぬ業者から不確かな価格で品質の不明な機器の入手を強いられている。このような方策では近代経済は成り立たない」と述べた。
また、西側諸国は今後数カ月でロシア政府への圧力を強め、制裁の抜け穴をふさぐと同時にロシア経済の「要衝」に焦点を当てるという認識を示した。