スペースシャトル「チャレンジャー」の残骸、海底で発見 空中爆発から37年


スペースシャトル「チャレンジャー」の残骸、海底で発見 空中爆発から37年

米フロリダ沖で発見されたスペースシャトル「チャレンジャー」の断片

【写真特集】チャレンジャー号、発射から爆発まで

断片の大きさは約6メートル。ヒストリーチャンネルで今月から放送予定のシリーズ番組のため、北大西洋で第2次世界大戦中に消息を絶った航空機を捜索していたチームが発見した。

チャレンジャーは86年1月28日、打ち上げの73秒後に空中分解し、搭乗していた7人全員が死亡した。この中には、民間人として初めて宇宙飛行を経験するはずだった教員1人が含まれており、テレビで打ち上げの様子を見守っていた視聴者や全米の子どもたちに大きな衝撃を与えた。

NASAは今回見つかった断片について、チャレンジャーの事故で亡くなった宇宙飛行士や遺族に配慮しながら今後の扱いを検討すると表明した。

断片を発見した海底探査チームを率いるマイク・バーネットさんは、高校の教室のテレビでこの悲劇を目の当たりにしたと回想。自分たちが見つけたのが、あの宇宙船の残骸だったと知って厳粛な気持ちになったと話す。チャレンジャーの残骸が見つかったのは、96年に漂着して以来だった。

バーネットさんのチームは今年3月から、第2次世界大戦中の船や航空機が沈んでいるといわれる北大西洋のバミューダ・トライアングルの調査を開始。NASAがロケットを打ち上げているフロリダ州の沖合いにも範囲を広げて潜水調査を行っていた。

同チームが探していたのは、45年12月に消息を絶った第2次大戦時代の救援機だった。しかし、それより年代の新しい物体が一部を砂に覆われた状態で沈んでいるのが見つかり、潜水調査で詳しく調べることにした。

最初の潜水調査は暴風の影響で視界が悪かったが、5月に行った2度目の潜水で残骸の鮮明な映像をとらえることができた。その情報をバーネットさんの友人で元NASA宇宙飛行士のブルース・メルニックさんに伝えたところ、即座にチャレンジャーの残骸かもしれないと指摘したという。

同チームは特徴的な正方形のタイルを手がかりとして、この残骸がチャレンジャーの機体底部の断片だったと推測した。チャレンジャーは地球の大気圏に突入した時の熱から機体を守るため、底部がシリコン製のタイル数千枚で覆われていた。

この発見について8月に同チームから報告を受けたNASAは、潜水調査の映像を検証し、これがチャレンジャーの断片だったことを確認した。



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