ポーランド着弾、どこが発射? 欧米とウクライナの見解が割れる背景

[ad_1]

ポーランド着弾、どこが発射? 欧米とウクライナの見解が割れる背景

ロシア製のミサイルが着弾した現場。ポーランド人2人が死亡した=ポーランド東部プシェボドフで2022年11月15日、ソーシャルメディアより・ロイター

【写真】ポーランドで2人死亡 ミサイルが着弾した場所

 2人が死亡したミサイルの着弾現場では、ロシア製の地対空ミサイル「S300」の破片が見つかったと伝えられている。ソ連時代の1978年に製造が始まったS300は、ウクライナも保持し、ロシアによるミサイル攻撃への迎撃手段として使ってきた。一方でロシアはウクライナ侵攻でインフラなどを攻撃する際、攻撃用ミサイルとしてS300を発射してきた。

 そのため初期段階では、どちらの軍が発射したS300なのかを識別するのに手間取ったとみられる。当初はロシア軍の攻撃と報じられたが、米国やポーランドは16日になって、ウクライナ軍が迎撃目的で発射したミサイルだった可能性が高いとの説明に転じた。

 オースティン米国防長官は16日、「ウクライナの防空ミサイルのようだとするポーランドの初期的な評価に反する情報は今のところない」と表明。「ポーランド政府の調査を完全に信頼している。専門的で、慎重な方法で調査している」と強調した。現地での調査には米国の専門家も加わっているという。

 一方でウクライナ政府は発生当初から、ロシア軍の攻撃の結果だと主張。ダニロフ国家安全保障国防会議書記も16日、ロシアが発射した「証拠」があるとして、欧米諸国に対し「ウクライナのミサイルであることを示す情報を提供してほしい」と訴えた。ミサイルの着弾現場にウクライナ当局が入ることを許可するようにも求めている。

 ロシアによる侵攻に対し、欧米諸国とウクライナは協調姿勢を取ってきたが、今回は両者の見解が割れている。背景には、自軍の報告を尊重するゼレンスキー氏の立場があるようだ。対露戦で圧倒的な不利を予想されながら善戦を続けている軍との結束を崩したくない考えとみられる。

 ただし、調査が進んでもウクライナが今後もかたくなに自国の関与と責任を認めない場合、欧米諸国が反発する事態も起こりえる。北大西洋条約機構(NATO)加盟国の外交官は「誰もウクライナを非難していないのに、彼らは堂々とうそをついている。このような事態はミサイルよりも破壊的だ」と英紙フィナンシャル・タイムズに述べた。

 近年はウクライナが絡んだ航空機の撃墜事案も起きている。2020年1月には、イラン革命防衛隊がテヘラン周辺の上空を飛行していたウクライナ国際航空機を撃墜し、乗客乗員176人を死亡させた。当時は米軍との緊張が高まっていた。革命防衛隊は航空機を米軍の巡航ミサイルと勘違いして迎撃したと説明。ウクライナに謝罪していた。【大前仁、ワシントン秋山信一、エルサレム三木幸治】

[ad_2]

Source link