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ウクライナのベレズナ経済副大臣は「現在も1,000万人の労働者が雇用されている地域で現在も戦闘が行われ、この影響で少なくと500万人のウクライナ人が職を失い、戦闘を避けるため700万人が国を離れている」と明かした。
この戦いが引き起こした財政負担や経済問題は非常に難解だ
ウクライナ軍は一連の反撃で軍事的成功を世界に印象づけたが、戦いを支える国内経済の状況は悪化の一途を辿っており、世界銀行はウクライナのGDPが35%縮小する可能性があると予想、ウクライナ政府は毎月の財政赤字が50億ドルに達したため欧米諸国や国際通貨基金に緊急支援を要請している。
世界的なエネルギー価格の上昇もウクライナ経済に暗い影を落としており、現地メディアは「電力価格がコストを圧迫して操業停止や休眠状態に追い込まれる企業や工場が増えている」と警告しているが、ロシア軍のインフラ攻撃が電力事情をさらに悪化させているのは誰の目にも明らかだ。
ロシアの連邦議員達は「ウクライナの電力設備を破壊すれば電力は勿論、給水設備、下水設備、冷蔵設備が役に立たなくなり、電力を失えば鉄道の制御も困難になるため鉄道設備や鉄道橋を破壊する必要すらない。この状況下で一般市民はどうやって生活するのか?食事を調理したり、保存したり、運ぶ事もできなくなるだから。生活が困難になれば一般市民は国から脱出を試み、大量の難民が欧州に押し寄せるだろう」と主張。
さらに「電気が止まれば決済システムも機能しなくなり、生産活動が停滞すれば労働者にどうやって賃金を支払うのか?ウクライナ経済は毎月何十億ドルもの支援で成り立っており、残りの経済が崩壊すれば国は立ち行かなくなる。攻撃を行い結果を評価して確実に目標を破壊するという現在の戦術は古典的だが非常に効果的で今後も継続していかなければならない」と述べていたが、ロシア軍は首都だけでなくウクライナ西部の電力設備を破壊して問題を悪化させようとしている。
ウクライナ西部のリヴィウ州には戦火を避けるため全土から企業や工場が疎開して操業を続けているものの、政府が要請する節電や停電の影響を受けているため経済活動に支障を来しており、ベレズナ経済副大臣は「ロシア軍が国内の労働市場を破壊し続けている。現在も1,000万人の労働者が雇用されている地域で現在も戦闘が行われ、この影響で少なくと500万人のウクライナ人が職を失い、戦闘を避けるため700万人が国を離れている」と明かした。
国連人道問題調整事務所も11月「ウクライナ国内には戦闘地域からの一時的な避難民が600万人に達している」と報告しており、政府は暖房提供が困難な地域の住民避難を最近開始したため国内難民の数は更に増加するはずで、避難先で必要な住居や生活費を「政府が無償で提供する」と約束しているため住民避難にかかる費用負担も馬鹿にならない。
シュミハル首相は最近「税収と支出のギャップが著しいため2023年に420億ドル=約6兆円の経済援助が必要になる」と予想しているが、この状況はロシア軍のインフラ攻撃によって更に悪化する可能性があるので注意が必要だ。
ウクライナへの支援額 | 人道・経済支援額 | 軍事支援額 | 合計額 |
米国 | 254.5億ドル | 285.1億ドル | 539.6億ドル |
EU | 141.7億ドル | 25.7億ドル | 167.4億ドル |
英国 | 30.0億ドル | 38.5億ドル | 68.5億ドル |
ドイツ | 21.6億ドル | 12.3億ドル | 33.9億ドル |
カナダ | 21.5億ドル | 9.5億ドル | 31.0億ドル |
ポーランド | 11.5億ドル | 18.7億ドル | 20.2億ドル |
ノルウェー | 11.0億ドル | 3.3億ドル | 14.3億ドル |
フランス | 9.5億ドル | 2.2億ドル | 11.7億ドル |
日本 | 6.6億ドル | 0.0億ドル | 6.6億ドル |
オーストリア | 5.6億ドル | 0.0億ドル | 5.6億ドル |
イタリア | 5.5億ドル | 1.5億ドル | 7.0億ドル |
オランダ | 3.9億ドル | 1.7億ドル | 5.6億ドル |
- 数値はUkraine Support Trackerから引用(€→$に変換/1$=0.97€)
- EUの人道・経済支援額に含まれる110億ユーロは融資なので27%しか実行されていない。
- ノルウェー、フランス、イタリア、オランダの軍事支援額が少ないのは支援内容の一部しか公開していないため
- 外務省発表だと人道3億ドル(内2億ドルは実施中)+経済6億ドルなので実行済みの額で言えば日本支援額はほぼ一致
ニューヨーク・タイムズ紙は「欧米からの支援が無くなることもウクライナ経済が崩壊することもないが、自国民が物価や失業率の上昇に苦しんでいる中で何十億ドルも支援を続けることは政治的に難しくなる可能性があり、ポーランド、ドイツ、ハンガリーは流入し続ける難民の受け入れに苦労しているのでウクライナ人難民の歓迎ムードは失われつある」と指摘しているのが興味深い。
つまりロシア軍のインフラ攻撃で大量の難民が欧州に流れ込むと「ウクライナへの援助額に影響がでるかもしれない」という意味で、ウクライナ軍は創意工夫と驚くべき粘りでロシア軍に対抗しているが「この戦いが引き起こした財政負担や経済問題は非常に難解だ」と述べている。
ウクライナに対するインフラ攻撃の被害は不明、節電を求められる時間は増加傾向
ウクライナ、インフラを攻撃するロシア軍の狙いは大量の難民を欧州に押し付けること
※アイキャッチ画像の出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136
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