イーロン・マスク氏のツイッターアカウントを表示した携帯電話の画面と、同氏の写真(2022年4月14日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】ツイッター(Twitter)を所有するイーロン・マスク(Elon Musk)氏が複数の著名記者のアカウントを凍結したことについて、国連(UN)や欧州連合(EU)などからは16日、批判や警告が相次いだ。
【写真】サンフランシスコにあるツイッター本社
EUの行政執行機関、欧州委員会(European Commission)のベラ・ヨウロバー(Vera Jourova)委員はツイッターへの投稿で、記者アカウントの「恣意(しい)的凍結」をめぐる懸念を表明。「越えてはならない一線がある」として、同サイトがEU法違反で高額の罰金を科される可能性を警告した。
アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長の報道官ステファン・ドゥジャリク(Stephane Dujarric)氏は、世界中の報道関係者が検閲や身の危険にさらされている中で「危険な前例」をつくったとして、マスク氏を批判。国境なき記者団(RSF)は、ツイッターに頼るジャーナリストたちにとって「不条理な悪夢」だと非難した。
今回の論争は14日、マスク氏のプライベートジェットの位置を追跡していたアカウント「@elonjet」が凍結されたことが発端となった。その後アカウントを凍結された記者の一部は、「@elonjet」アカウントへのリンクをツイートするなどして、この問題について報じていた。
マスク氏は、米ロサンゼルスで自分の子どもを乗せた車が「ストーカー」に尾行されたとし、その原因は自身のジェット機の追跡にあるとの見解を示唆。位置情報の報道は自身と家族に対する「暗殺座標」の公開に相当すると主張した。
マスク氏はさらに、アカウントを凍結された記者らが同サイトの音声交流機能「ツイッター・スペース(Twitter Spaces)」を使い行っていた会話に参加。ツイッター上では「誰もが同じように扱われ」、記者を特別扱いはしないと説明した。一方、自身の主張についての根拠は示さず、この点についてさらに追及されると会話から退出。その後、この「スペース」機能は利用できなくなった。【翻訳編集】 AFPBB News