プーチン露大統領=ロイター
ロシア大統領府は17日、プーチン大統領が、ウクライナ侵略の作戦本部を訪問し、露国防相や作戦を統括する総司令官らと会議を開いたと発表した。こうした発表は初めてで侵略を続ける構えを強調する狙いとみられる。
【表】一目でわかる…ロシアの戦力はウクライナを圧倒している
露国営テレビによるとプーチン氏は「当面、そして中期的な行動について提案を聞きたい」と述べた。露大統領府は、会議に出席するワレリー・ゲラシモフ参謀総長の写真も公表した。最近の「更迭」報道を打ち消す狙いとみられる。
露軍で核戦力を扱う戦略ロケット軍の司令官は、16日配信の露国防省の機関紙とのインタビューで、核兵器搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)について、機動性を高めた移動式発射台(TEL)の開発を来年始めると説明し、「露領内のどこからでも発射できるようになる」と述べた。ICBMの試験発射回数も増やす方針で、侵略長期化の中、来年もロシアは核戦力による威嚇で米欧へ揺さぶりをかけ続ける見通しだ。
露軍は16日、再びウクライナ各地のエネルギー施設への大規模攻撃を実施した。ウクライナ軍は、露軍が首都キーウなどに巡航ミサイルなど76発を発射し、60発を撃墜したと発表した。5日に爆発が起きた露南部の軍用飛行場も発射の拠点だったという。露軍は飛行場が機能していることを示そうとした可能性がある。
ウクライナ政府は16日、今回の攻撃で電力関連施設9か所で被害があったと説明。同国の国営電力企業は、電力供給が「5割以下」に減少したと発表した。