安倍晋三首相は28日、大阪市内で開幕した20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)出席のため来日したタイのプラユット首相と会談した。両首脳は北朝鮮の非核化に向けた国連安全保障理事会制裁決議の完全履行の重要性で一致。安倍首相は、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決のため、プラユット氏の理解と協力を求めた。
安倍首相は、タイが今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国であることを踏まえ、11月に予定されているASEAN関連首脳会議では、北朝鮮問題や中国が海洋進出を強める南シナ海の問題で「力強いメッセージを出したい」と強調した。
これに対し、プラユット氏は日中韓やASEAN加盟国など16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内の交渉妥結に向けて協力を約束するとともに、「G20議長国日本とASEAN議長国タイが協力し、ASEANでの議論を主導したい」と呼びかけた。
また、安倍首相はタイのワチラロンコン国王の戴冠に祝意を示し、プラユット氏も天皇陛下の即位についての祝いの言葉を述べた。