英国防相、正直に言えばタイフーンのウクライナ提供は戦争終結後になる

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英国のスナク首相が「NATO標準戦闘機に対するウクライナ人パイロットの訓練」を約束して提供可能な戦闘機を調査するよう指示したが、ウォレス国防相は「正直に話すとタイフーン提供が実現するのは戦争が終わった後だ」と断言した。

ゼレンスキー大統領は「欧米による戦闘機提供に肯定的な決定がなされた」と発言したが、現実的には全く進展を見せていない

米国とドイツがエイブラムスやレオパルト2の提供に踏み切ったため「西側製戦車は提供できない」という不文律は破られた格好で、ウクライナのゼレンスキー大統領やクレバ外相は「次はF-16を提供して欲しい」と主張、ポーランドやオランダなども「F-16提供に協力(もしくは検討)する用意がある」と発言したため西側製戦闘機の提供に期待感が高まったが、経験豊富なウクライナ人にパイロットにF-16を与えても機体固有の戦術訓練や運動性能も仕組みも異なるミサイルの使用には相当時間がかかることが判明。

英国防相、正直に言えばタイフーンのウクライナ提供は戦争終結後になる

出典:U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. Hollie A. Hansen/Released

F-16の元パイロットも「ウクライナ全土(占領地域を含む)には夥しい量の地対空ミサイルが存在するため1,000フィート以下の低空を飛行しなければならず、この制限は非ステルス機なら旧ソ連製戦闘機でも西側製戦闘機でも同じで、F-16を手に入れてもウクライナ人が持っている戦闘機とやれることに違いはない」と述べており、限られたリソースの中でウクライナ軍の能力を強化するなら「地上配備型の防空システム供給に集中した方が効率的だ」と言われている。

さらにバイデン大統領がF-16提供を否定したため、これに前向きだったポーランドやオランダは前言の火消しに走っており、ポーランドのドゥダ大統領は「我が国が保有するF-16は数が限られているのでウクライナに提供するのは難しくパイロットの養成にも非常に長い時間がかかる。そのためウクライナ人に直ぐに使えるMiG-29の提供を検討中だ」と主張、オランダのルッテ首相も記者が繰り返し質問してくるF-16提供について「これ以上話しても(同問題は多く国が関係するため)建設的な解決に繋がらない」と質問をシャットアウトした。

英国防相、正直に言えばタイフーンのウクライナ提供は戦争終結後になる

出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Luke Milano

英国のスナク首相はゼレンスキー大統領に「NATO標準戦闘機に対するウクライナ人パイロットの訓練」を約束、ウクライナに提供可能な戦闘機を調査するよう国防相に指示したためタイフーン提供にも期待が集まっているが、ウォレス国防相は「英空軍のシラバスで訓練を完了するには最低でも35ヶ月かかるため(訓練修了は)戦後になる」と説明して高まる期待を否定、しかし記者会見の度にタイフーン提供に質問が及ぶため「正直に話すとタイフーン提供が実現するのは戦争が終わった後だ」とハッキリ断言した。

ウォレス国防相は「少なくと現段階ではあり得ないし、半年後でも状況は変わっていないと確信している。誰かが戦闘機をウクライナに届けたとしても相当な時間が必要になるだろう。もう正直に話せば英国でタイフーンと呼ばれる戦闘機は戦争が終わるまで引き渡されることはない」と明かしており、ゼレンスキー大統領が「欧米によるウクライナへの戦闘機提供に関して肯定的な決定がなされた」と話した状況と一致していない。

英国防相、正直に言えばタイフーンのウクライナ提供は戦争終結後になる

出典:Mateusz Włodarczyk/CC BY-SA 4.0

因みにウクライナへのレオパルト2移転問題に関連してポーランドのパヴェル・ヤブロンスキー外務次官は「もしドイツがレオパルト2の移転に強く抵抗するようなら非正規なアプローチを採用する用意があると思う、、、結果を予測するのは止めておこう」と述べたため、最終使用者の変更に関する承認手続きを無視して「戦車提供に踏み切る用意がある」と海外では解釈されており、この発言は現在でも「ポーランドの戦略的ミス」と指摘されている。

要するに移転承認を渋るドイツを無視して「レオパルト2をウクライナに提供する」という発言は、ウクライナを応援したいという人々にとって歓迎すべき「ポーランドの行動」として映ったかもしれないが、購入国の義務である「最終使用者の変更承認手続き」を無視するという発言は米国で否定的に受け取られており、再びF-16提供で先走ったことをすると米国製兵器の購入に影響が出る可能性(勝手に第三国に装備を移転される可能性があるので売却を控えるという意味)がある。

英国防相、正直に言えばタイフーンのウクライナ提供は戦争終結後になる

出典:Rob Schleiffert / CC BY-SA 2.0 ポーランド空軍のF-16

つまりポーランドは米国が提供しないと公言しているF-16について軽々しく言及するのが難しくなっており、国際的な合意の下でなら協力できるという控えめな立場に終始しているのはそのためだ。

追記:英国のスナク首相はミュンヘン安全保障会議で「他国がウクライナに戦闘機を直ぐに提供できるなら我々は喜んで支援する」と発言した。

英国がNATO標準戦闘機を操縦するための訓練をウクライナに提供、但し戦闘機提供は未定
ウクライナ人パイロットは数ヶ月でF-16を飛ばせる、但し飛ばせるだけ実戦は別
ゼレンスキー大統領、戦闘機提供に肯定的な決定が下されたが詳細は明かせない
ポーランド、ドイツが反対してもレオパルト2提供に踏み切る可能性を言及

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain

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