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全国屈指の激戦区、東京選挙区(改選数6)は、与野党入り乱れての群雄割拠の様相を呈している。野党の間では、改選数1の「1人区」で実現しているような共闘とは裏腹に、非自民票の熾烈(しれつ)な争奪戦が水面下で展開されている。
通常国会閉会日の6月26日夕の新宿駅東南口広場。東京選挙区で立憲民主党から出馬する元都議の新人、塩村文夏は、同じ選挙区から出馬する元朝日新聞記者の同党新人、山岸一生への支持を懸命に訴えた。
「この夏の陣、山岸さんとともに戦って2議席を獲得していきたい。私たちに力を貸してください」
立民にとって、この広場は縁起がいい。平成29年10月の衆院選で、党を立ち上げた直後に約8千人(主催者発表)の聴衆を集めた。いわば「聖地」だ。
だが、この日は夕方の帰宅ラッシュに合わせたタイミングでの街頭演説だったにもかかわらずビラを受け取る人は少なく、熱気はほとんどなかった。党関係者は「足を止める人が少なすぎる」と嘆いた。
今回、立民は無党派層が多い都市部で多くの議席を獲得する戦略を描いており、東京は最重点区と位置付ける。3年前の参院選で旧民進党で当選した蓮舫と小川敏夫は、立民の副代表と常任顧問だ。当時、それぞれ約110万票と約50万票を獲得した。
当時と何が違うのか。一つは勢いに陰りが見られること。もう一つは、政治団体「れいわ新選組」を発足させた現職、山本太郎の存在が大きい。山本は6年前、約66万票を獲得して初当選した。今回、2カ月足らずで約2億円の寄付金を集めた。街頭演説ではあっという間に人だかりができる。その勢いに立民幹部は警戒感を隠さない。
山本は選挙区と比例代表のどちらに出馬するかを明らかにしておらず、「ここまで引っ張ったら、最後まで言わない。どうぞしびれてください」と既成政党をあざ笑うかのようだ。
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