原油減産3月まで延長 OPEC、非加盟国と合意


2日、ウィーンで開かれた産油国会合に出席したロシアのノバク・エネルギー相(左)とサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相(中央)(ロイター=共同)

 【ロンドン=板東和正】石油輸出国機構(OPEC)加盟国は2日、ロシアなどの非加盟国と6月末が期限だった原油の協調減産を来年3月まで9カ月間延長することで正式に合意した。協調減産で協力関係を長期間にわたって継続する方針でも合意し、OPECとロシアの結びつきが強化される。削減量は今年6月までの水準を維持し、原油価格の下支えを目指す。

 OPECは1日の定時総会で協調減産の9カ月間延長を合意。2日にウィーンで開催したロシアなど非加盟国をまじえた会合「OPECプラス」で同調を呼びかけ、正式決定した。協調減産を議論する会議体を常設にする案も承認し、産油国としての存在感を高める米国に対抗する。

 協調減産をめぐっては、加盟国と非加盟国は原油価格を下支えするため、2017年1月から協力して原油生産量を抑制している。 サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は6月30日、減産の実施期間について7月から9カ月間延長する可能性が高いとの見方を示していた。削減量拡大については「原油市場が望んでいるとは考えていない」と否定的だった。

 また、ロシアのプーチン大統領とサウジのムハンマド皇太子が6月末の大阪での会談で9カ月の延長ですでに合意しており、2日のOPECプラスでも円滑に延長が決定されるとみられていた。

 一方で、サウジとロシアが減産延長の意思決定を主導した構図に、サウジと対立するOPEC加盟国のイランが警戒感を示している。イランのザンギャネ石油相は1日の定時総会の開催前、減産延長について異論はないとしつつも「OPECは機能停止に陥るかもしれない」などと意思決定の過程に不満を示した。



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