ロシアの極超音速ミサイル「キンジャル」を搭載した戦闘機=ロイター
ウクライナ軍参謀本部は6日、ロシアの極超音速ミサイル「キンジャル」1発を米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」で迎撃したと発表した。初めての成功とみられ、ウクライナ空軍司令官はSNSで「歴史的な出来事だ」と述べた。
地対空ミサイルシステム「パトリオット」=ロイター
キンジャルは射程が約2000キロ・メートルあり、核弾頭も搭載できる。戦闘機から発射され、最大速度はマッハ10とされる。ウクライナ軍によると、パトリオットが撃墜したのは、4日未明に首都キーウ上空に飛来したキンジャルだった。キーウ中心部では、迎撃の瞬間に大きな音が鳴り、破片が落下したという。
露国防省は昨年3月、ウクライナ侵略でキンジャルを実戦使用し、その後もウクライナへの攻撃に使ってきた。極超音速兵器は探知や迎撃が困難とされる。米欧の軍事専門家の間では、キンジャルの性能を疑問視する分析がある一方、パトリオットなどのミサイル防衛システムでの迎撃は困難との見方も出ていた。
ウクライナには先月、米国などが提供したパトリオットが配備された。ウクライナ軍が当初は否定していたキンジャル撃墜を一転して認めたのは、最新鋭兵器の撃墜を発表し、ロシア側に衝撃を与える狙いがあったとみられる。