ロシアによるウクライナ侵略で、最激戦地の東部ドネツク州バフムトを巡る戦闘に露軍側で参戦している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は7日、「露国防省から必要なだけ弾薬を供給すると約束された」とする声明を交流サイト(SNS)上で発表した。弾薬不足を理由にバフムトから撤退するとしていた方針の取り消しを示唆した可能性がある。
プリゴジン氏は5日、意図的にワグネルへの弾薬供給を停止しているとして露国防省を非難。「10日以降にバフムトからワグネル部隊を撤退させ、陣地を露国防省に引き渡す」と表明していた。同氏は7日、「バフムトの95%を制圧した」とする声明も発表した。
ウクライナ軍のシルスキー陸軍司令官は7日、「ロシアは(第二次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日とする)9日までにバフムトを制圧しようとしている」とし、防衛戦を続けるとした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日のビデオ声明で「われわれは5、6月の新たな出来事に向けて積極的に準備を進めている」と表明。同国軍が近く着手するとの観測が出ている本格的な反攻を念頭に置いた発言である可能性がある。