お兄ちゃんは空にいる 死と向き合った小6に「リリー・フランキー賞」

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お兄ちゃんは空にいる 死と向き合った小6に「リリー・フランキー賞」

子どもノンフィクション文学賞で、リリー・フランキーさんが選ぶ選考委員特別賞を受賞し、笑顔を見せる柚野薫三郎さん=大分市で2023年4月4日午後2時14分、神山恵撮影

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 受賞作は、大分市立滝尾小6年の柚野薫三郎(くんざぶろう)さん(11)が書いた「僕は、いつだって空を想う」。

 柚野さんは、2016年に当時14歳だった兄凜太郎さんを亡くした。学校で運動中、突然体調が悪化したという。その死を振り返るきっかけは、対戦型ゲームをしていた際、友人の死を連想させる発言に「心がチクチクした」(柚野さん)からだった。

 その話を聞いた母こずえさん(46)は「人の死について考えられる年齢になった」と思い、兄の死について言葉にすることを勧めた。柚野さんは、母との会話などをメモに書き出しながら4~5カ月で作品を完成させた。

 兄が亡くなった当時、柚野さんは状況をよく理解できなかったという。どこに行ったか分からず、家族に聞いても「どこにいるのかなぁ」と答えるだけで疑問は晴れなかった。

 その後、幼稚園で七夕を迎えた時、祖母が突然いなくなったという女児が「おばあちゃんは空にいる」と話すのを聞き、柚野さんは空に兄の存在を感じるようになっていった。

 冒頭と結末には、登校の際「頑張らなくていいからね」と声を掛けてくる両親への複雑な思いを書いた。生前頑張りがちだった兄の記憶があっての発言だったが、柚野さんは当初「僕に何も期待していないのかな」と違和感を感じていた。

 だが、つらくても楽しくても空を見上げれば兄の存在を感じて安心できることが分かり、「僕の世界では(凜太郎さんは)ずっと生きていられる」と思うようになった。それを受け、結末では「僕も頑張る。少しだけ無理をすることもあると思う」と決意を示した。

 柚野さんは「思い出すのが大変だったが、お兄ちゃんのことを書くと決心したことを裏切りたくなかった。よく書けた。日本中の人に評価されたようでうれしい」と満足そうに受賞を喜んだ。

 子どもノンフィクション文学賞は、ノンフィクションの作品を書くことで、人々や社会に関心を持つきっかけにしてもらおうと09年に創設。選考委員はリリーさんのほか、作家のあさのあつこさんやノンフィクションライターの最相葉月さんが務め、それぞれ特別賞を選んでいる。大賞などの受賞作は、北九州市立文学館のホームページで読むことができる。【神山恵】

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