地元出身の党公認候補か、友党・公明党の候補者か-。21日投開票の参院選で、自民党大分県連が比例代表の支援をめぐって、板挟みになっている。激戦が続く大分選挙区(改選1)での協力の見返りとして、公明から比例への支援を求められているからだ。苦悩する自民関係者からは「家族2人なら、自公へ1票ずつ」の訴えも出た。(小沢慶太)
「自民党の比例候補33人の中で大分出身は私だけだ。令和という新しい時代、憲法改正や社会保障の改革をやらせてほしい」
自民比例候補の衛藤晟一氏(71)は公示日の4日、同県杵築市で開いた集会で、約200人の支持者に訴えた。衛藤氏はこの日、東京で出陣式を終えた後、地元大分に入り、2カ所で集会をこなした。
公示早々の大分入りは、危機感の表れといえる。
平成25年の参院選で、衛藤氏は約20万票を獲得した。比例代表の自民党当選者18人のうち、上から10番目だった。
ところが今回、比例代表で各党が優先的に当選させたい候補者を事前に指定する「特定枠」が設けられた。自民は、2人の候補者を特定枠とした。その分、他候補のハードルは上がる。
衛藤氏は大分市出身で、小中高、大学まで地元の学校に通った。同市議、県議を経て国政に出た。安倍晋三首相に近いとはいえ、全国的な知名度を誇るわけではなく、当選には地元・大分での票が欠かせない。
衛藤陣営幹部は「今まで以上に地元から票を出さなければならない。前回、大分県内の得票は約6万票だったが、今回は7万票が目標だ」とする。