梅宮辰夫とアンナ親子(C)日刊ゲンダイ
2019年に81歳で亡くなった俳優の梅宮辰夫さん。今ネットで物議をかもしているのが、娘でタレントの梅宮アンナ(50)が語った辰夫さんの相続にまつわるインタビューだ。
【写真】梅宮アンナ カップル写真集出版の真相と激動の5年間を語る(2019年)
辰夫さんの生前、あらかじめ専門家と相続対策を講じていたことで節税につながったという。
《父が亡くなる15年くらい前に、税理士さんに呼ばれて、「アンナちゃん、お父さんが亡くなると、とてつもない税金がかかってくるよ」と言われました》(ポータルサイト「相続会議」から)
渋谷の高級住宅地にある自宅と真鶴の別荘に多額の相続税がかかることを知り、とった対策が一人娘の百々果さんを梅宮さんの養女、つまり、アンナの妹にするというもの。
《娘が幼稚園の年長さんの時でした。本人にも「私たち姉妹になるんだよ」と説明して、ある日、それらしき封筒が届くと、本人もなんとなくわかったみたいで、「ママ、私たちが姉妹になる書類が届いたよ!」と。》(同前)
これについてネット上では、次のような声があがっている。
《合法とはいえ、こんな抜け道を堂々とインタビューで語っていいのか》《増税が叫ばれる中、こんな公正でない節税策いつまで許されるのか》《庶民にはまったく無関係の話だ》
しかし、こうした指摘は誤解が多分に含まれていると、遺産相続を数多く手がけてきた弁護士は話す。
「3000万円プラス法定相続人×600万円というのが、通常遺産から控除される金額ですが、梅宮さんの場合、養女になった娘さんが法定相続人にカウントされるので、控除額がプラス600万円増えたというだけの話です。あくまで控除額なので600万円節税できた訳ではありません。これをすることで、子から孫への相続をショートカットできます」
■相続手続きの大変さ
孫を養子にするやり方は、節税以外にも家や姓を残したい場合に行われることが多いという。
「特に代々引き継がれてきた家業がある場合、資産に莫大な税金がかけられると、事業の承継が難しくなります。そのため、資産管理会社を介して借り入れをして、所有する土地にビルやマンションを建てることで、個人の相続財産にしないようにしたり、相続をスムーズにするのはポピュラーなやり方です。一時、時価と評価額の差額を狙ったタワーマンション節税が問題になりましたが、梅宮さんは正直にやっている方で、他人からとやかく言われる筋合いのものではないでしょう」(前出の弁護士)
インタビューではほかにも、住民票や戸籍謄本などの書類集めや、自ら行った手続きについても話している。
《大変だったのは、すべてが父の名義でしたから、一切触れないものがたくさん出てきたこと。例えば車。名義変更をしないと売ることも処分することも出来ないのですかが、必要な書類を全部整えるところから始めなくてはならない》
弁護士や税理士などの専門家と事前に相続対策をしていても、迫る相続税の納付期限や名義変更の手続きなどで戸惑いや苦労は絶えなかったという。
一方で、《すごいいい話だった。ドンドン終活を進めようと思う》《自分も相続で苦労したから、リアル過ぎて身につまされる》といった共感の声もあがっている。
高齢多死社会が現実になりつつある日本で、アンナの体験談への賛否は相続問題への関心の高さを象徴しているといえるだろう。