ウクライナ国防相、F-16を使用したパイロットの訓練が間もなく始まる

[ad_1]

ウクライナのレズニコフ国防相は15日のラムシュタイン会議後「ウクライナ人パイロットの訓練がF-16で開始されるという知らせを戦闘機連合から受け取った」と明かし、英国、米国、オランダ、デンマークは数百の防空ミサイル提供を発表した。

早ければ夏に東欧のNATO加盟国で訓練が始まる可能性があるらしい

バイデン大統領は「F-16を含む第4世代戦闘機でウクライナ人パイロットを訓練する同盟国の取り組みを支援する」とG7で表明、米国が英国主導の戦闘機連合に加わったことで「ウクライナへの戦闘機提供」が本格的に動きだし、15日のラムシュタイン会議後にウクライナのレズニコフ国防相も「ウクライナ人パイロットの訓練開始に関する決定を戦闘機連合から受け取った」と明かした。

ウクライナ国防相、F-16を使用したパイロットの訓練が間もなく始まる

出典:首相官邸

レズニコフ国防相は「ウクライナ人パイロットの訓練はF-16で開始され、このプロセスはオランダとデンマークが主導する。スウェーデンのパートナーからも『スウェーデンの能力(恐らくグリペンでのこと)』をテストするオプションがあるという良い知らせを聞いている」と述べ、オランダのカイサ・オロングレン国防相も「東欧のNATO加盟国に設立する訓練センターで語学の習得、初期及び基本的な飛行訓練、F-16への転換訓練を出来るだけ早く開始する」と述べており、早ければ夏に訓練が始まる可能性があるらしい。

一部の海外メディアは「既にF-16での訓練が始まっている」と報じて来たが、ウクライナ空軍のイグナト報道官は「まだ海外での訓練は開始されていない」と再三否定しており、戦闘機連合はウクライナ人パイロットを受け入れる前に「訓練用の機体確保」「派遣する教官役の調整」「訓練期間の圧縮とウクライナのニーズに絞られた専用シラバスの開発」「これに応じた地上シミュレーターのシナリオ開発」などやることが沢山あるため、まだ組織的な訓練は始まっていないというのが正解だろう。

ウクライナ国防相、F-16を使用したパイロットの訓練が間もなく始まる

出典:U.S. Air Force photo by Master Sgt. Tristan McIntire

米YahooNewsは5月「2人のウクライナ人は約2週間のシミュレーターテストで技量の高さ示し、米空軍はF-16を操縦できようになるまで4ヶ月の訓練で十分だと結論づけた」と指摘したため、年末までに訓練を終えたウクライナ人パイロットが出てくる計算だが、この技量評価レポートを入手した米ディフェンスメディアは「4ヶ月間で習得できるのは基本的なスキルセットのみだ」と指摘している。

このレポートはBaseline Pilot Assessment(BPA)と呼ばれており、シミュレーターテストの目的は「スキルのベースライン評価を確立」「西側製戦闘機による訓練の可否」「訓練スケジュールの期間を左右する専用シラバスの開発」「訓練に不可欠な英語適正の確認」で、米空軍はBPAの中で「2人のウクライナ人パイロットは約11時間のシミュレーターテストで平均以上のスキル向上を示し、必要なスキル習得に焦点を当てたシラバス開発を加味すると現実的な訓練期間は4ヶ月間が妥当」と評価しているが、この4ヶ月間で習得できる戦闘スキルは初歩的な空対空戦闘のみだ。

ウクライナ国防相、F-16を使用したパイロットの訓練が間もなく始まる

出典:U.S. Air Force photo/Samuel King Jr.

専用シラバスを用いた4ヶ月間=16週間の訓練内容は大まかに移行訓練、低レベルの低空飛行訓練、空対空戦闘訓練の3つに分かれており、唯一の戦闘スキル=空対空戦闘は「単機もしくは2機編成による迎撃とAIM-120とAIM-9による基本的なWVR(視界内射程)運用に重点を置く」と言及しており、基本戦闘機機動、空中戦闘機動、空中給油、近接航空支援、水上攻撃といった訓練要素は含まれていない。

つまり「MiG-29やSu-27の操縦資格と十分な飛行時間をもつウクライナ人パイロット」なら比較的短時間でF-16を飛ばすことが可能だが、対応スキルは低レベルの低空飛行と初歩的な空対空戦闘のみで、AIM-120の射程を生かした視界外戦闘、無誘導爆弾やJDAMを使用した近接航空支援、AGM-88HARMを使用した敵防空網制圧に対応したスキルを獲得するには「もっと時間が必要」という意味になり、4ヶ月間の訓練で戦場に戻ってもウクライナが期待しているような効果はもたらさないだろう。

ウクライナ国防相、F-16を使用したパイロットの訓練が間もなく始まる

出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Daniel Asselta

因みにレズニコフ国防相も「現在の反撃にF-16は間に合わない」と述べており、そもそもウクライナに提供されるF-16は「各国の運用から計画的に外れる機体」なので大掛かりなオーバーホールを実施しなければならず、米国が機密に指定する機器やNATO加盟国向けの通信装置も取り外す必要があるため、個人的には「ウクライナ人パイロットが操縦するF-16の登場は2024年の話」だと思っている。

追記:英国防省は15日「ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃が続く中、最も緊急な防空要件を満たすため英国、米国、オランダ、デンマークは優先度の高い防空装備の提供で協力する」と発表、この取り組みはウクライナの重要なインフラを保護し、今後数ヶ月間に渡って行われる反攻作戦を成功させるため「短距離と中距離をカバーする数百の防空ミサイルと関連機器を提供する」というもので、既に機器の引き渡しは開始されており「数週間以内に提供を完了させる」と述べている。

追記:NATOのストルテンベルグ事務総長は15日「いつウクライナにF-16が提供されるかを言及するのは時期尚早だが、訓練自体は開始されている」と述べた。

衰える気配がないロシア軍のミサイル攻撃、6月の発射数は200発以上
米国のミリー議長、ウクライナへのF-16提供コストは10機で20億ドル
ウクライナ人パイロットは4ヶ月の訓練でF-16を操縦できるようになる?
ウクライナ人パイロットは数ヶ月でF-16を飛ばせる、但し飛ばせるだけ実戦は別

 

※アイキャッチ画像の出典:PHOTO BY Senior Airman Duncan Bevan

[ad_2]

Source link