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山畠さんたちの目撃情報をもとに制作された宇宙人のフィギュア=2023年2月、甲府市、筆者撮影
1975年、一人の小学生が全国の注目を集めました。「宇宙人に遭遇し、肩ををたたかれた」。のちに「甲府事件」と呼ばれることになるこの出来事。小学2年生だった少年は50代となり、今、積極的に事件のことを伝える役割を買って出ています。長い沈黙を破り事件を語りだしたのはなぜか? 口を閉ざした理由、行動を共にする仲間との出会い、そして地元への思いを聞きました。(朝日新聞・池田拓哉)
【画像】宇宙人に遭遇した小学生、自らが撮影した飛行物体を説明 「UFOで街おこし」へ活動
宇宙人に遭遇した小学生は
UFOと宇宙人が目撃されたという「甲府事件」が起きたのは、1975年2月23日午後6時半ごろ。
当時小学2年生だった山畠克博さんは、同級生のいとこと一緒に甲府市上町付近のブドウ畑近くにいたそうです。
UFOの大きさは直径約2.5メートル、高さ1.5メートル。扉が開き、中にいた「宇宙人」2人のうち1人が降りてきました。
身長約130センチ、顔は茶色、深い横じわがあり、銀色の牙が生えていました。「キュルキュル」というような声で話しかけ、山畠さんの後ろに回って右肩を2回たたいてきたといいます。
怖くなった2人は慌てて逃げ帰りました。家族を連れて現場に戻ると、物体はオレンジ色の光を放ち、最後は白に変色して消えました。UFOが着陸していた場所には複数の穴が開いていました。
信じてくれなくてもいいけど…
この体験談は、地元の山梨日日新聞が2日後に報じました。
UFO研究家らの間では「甲府事件」と呼ばれ、同様の目撃証言が複数の人から得られた貴重な事例として知られています。
列島をUFOブームが覆った1970年代から1980年代にかけて、山畠さんは雑誌などの取材に引っ張りだこでした。
しかし、真偽が怪しいオカルト情報として取り上げられたこともしばしば。嫌気が差し、30年以上前から目撃体験を語らなくなりました。
しかし、年月が過ぎて「信じてくれなくてもいい。自分の証言を正面から受け止めてほしい」という思いが強くなってきました。
「宇宙人との遭遇」地域を盛り上げたい
そんな中で出会ったのが、山梨県内で活動するラジオパーソナリティー、徳タケ喜一さんでした。
徳タケさんは、カッパといった妖怪に詳しく、深夜番組「妖怪TALK」(FM FUJI)でリスナーを不思議の世界に案内しています。
「2025年には甲府事件から50年を迎えます。そこを目標に、甲府をUFOと宇宙人の話題で盛り上げるイベントを打ち上げたい」と徳タケさん。
山畠さんが遭遇した宇宙人の銅像を甲府市内に建てて、宇宙人好きの芸能人や歌手が集うトークライブでにぎわいを生み出すという「夢」を描いています。
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