プーチン大統領〝大誤算〟前線から3万2000人撤退、ワグネル契約の受刑者兵 国防省への不満爆発 前線手薄でウクライナ奪還加速か


プーチン大統領〝大誤算〟前線から3万2000人撤退、ワグネル契約の受刑者兵 国防省への不満爆発 前線手薄でウクライナ奪還加速か

ロシア国旗

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が18日、ウクライナでの戦闘に参加した受刑者兵3万2000人の「帰還」を宣言した。ウクライナ侵略を続けるウラジーミル・プーチン政権は、ワグネルへの依存を強めていたが、プリゴジン氏はロシア国防省への不満から、撤退を表明していた。18日の宣言が事実であれば、前線が手薄となっている可能性があり、ウクライナの反攻に直面しているロシアにとって痛手となる。

【写真】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたとするロシア軍陣地

■国防省への不満爆発

プリゴジン氏は5月、動員した受刑者約5万人のうち、2割に当たる約1万人が戦死したと述べていた。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は昨年12月、ワグネルが約4万人の受刑者を含む約5万人をウクライナに派遣したとの概算を示した。

動員した受刑者の数に隔たりはあるものの、ワグネルは5万人程度の兵力をウクライナ戦線に投入。東部ドネツク州の激戦地バフムトでの戦闘に従事するなど、ロシアのウクライナ侵攻で主要な役割を果たしていた。

だが、プリゴジン氏は、十分な弾薬が供与されていないとして、セルゲイ・ショイグ国防相やロシア国防省をたびたび非難していた。先月21日には、ワグネル部隊を前線から完全撤退させることを表明した。米シンクタンク「戦争研究所」は翌日、ウクライナの大規模反攻の際にワグネルがほぼ不在になる可能性があると指摘し、代わりに訓練が不十分なロシア軍部隊が配置される可能性が高いと分析していた。

■ウ軍集落「8つ目」発表

ワグネルの〝不在〟の影響は不明だが、ウクライナの大規模反攻は着々と成果を上げているようだ。

ハンナ・マリャル国防次官は19日、ウクライナ軍が反転攻勢を本格化させた過去2週間で、8つの集落を奪還したと明らかにした。すでに発表していた東部や南部の7集落に加え、南部ザポロジエ州ピャチハトキを新たに奪還。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は18日の声明で「一歩ずつ前進している」と述べ、自国軍をたたえた。

これに対し、ロシア国防省は18日、ピャチハトキでウクライナ軍を撃退したと主張した。現地で攻防が続いている可能性がある。



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