ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、民間軍事会社「ワグネル」が「武装反乱」を起こした後に速やかに首都モスクワに進撃できたのは、自身が流血事態を避けるよう指示したためだと明らかにした。
プーチン大統領は26日(現地時間)夕方、テレビ演説を通じて「事が起こった初期から、深刻な流血事態を避けるため私の直接の指示に従って措置が取られた」とし、このように述べた。ロイター通信などが報じた。ワグネルの代表であるエフゲニー・プリゴジン氏が24日未明に軍事反乱を起こした後、何の妨害もなくモスクワから200キロまで接近できたのは、ロシア軍が統制力を失ったからではなく、自分がそうするよう指示したためだと説明したのだ。この日の演説はプリゴジン氏の一日武装反乱が終了してから2日後に出たもの。
プーチン大統領はまた、「何より、過ちを犯した人々が正気を取り戻して、彼らの行動が社会から強く拒否されており、自ら起こした冒険がロシアに悲劇的かつ破壊的な結果をもたらしたことに気づく機会を与えるために、時間が必要だった」と述べた。そして反乱を止めたワグネルの隊員と指揮官の大半が愛国者だとして感謝の意を伝え、ロシア国防部の命令により、正規軍と契約を結んでいない人たちはベラルーシに行くか、家族の元に帰ることができると述べた。
プーチン大統領はプリゴジン氏が武装反乱を起こすと、同日午前11時頃、テレビを通じて全国に中継された演説に立ち、彼らを「反逆者」と呼び鎮圧を約束した。しかし午後頃、プリゴジン氏が反乱を中止すると、クレムリン(ロシア大統領府)も今回の事態に加担した人々に対する処罰を免除すると発表した。すると米国など西側の指導者や専門家、マスコミなどは、プーチン大統領が統制力を失ったという分析を打ち出した。ロシア内部でもプーチン大統領のリーダーシップを疑う声が出た。26日の演説は、世間のこのような指摘と一線を画すことが目的と読み取れる。
一方、プーチン大統領はプリゴジン氏だけでなく、彼が更迭を要求したセルゲイ・ショイグ国防長官、ワレリー・ゲラシモフ参謀総長の進退についても特に言及しなかった。
ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)