21日に行われる参議院議員選挙の争点は、どの論点についても最終的に「安定か混乱か」という問題に収斂(しゅうれん)する。
年金暮らしの夫婦が95歳まで生活するには2千万円が不足するとの金融庁の報告書に関して、野党が激しく政権を攻撃するが説得力がない。この仕組みは「社会保障と税の一体改革」の名の下、当時政権を担った民主党と野党だった自民党、公明党が合意してできたものだ。製造者責任に口を拭って、年金問題を政争の具にしようとする旧民主党幹部だった野党政治家の姿は見苦しい。
もっとも国民が諸手を挙げて与党を支持しているのではない。将来の生活に対する不安を誰もが感じている。しかし、政治には期待できない。となると自分の身は自分で守らなくてはならないという発想になる。ここから、政治的混乱だけはもう起こさないで欲しいという気持ちになる。現在の野党政治家を見ていると内政や外交で具体的政策を打ち出すよりも、自らの生き残りで必死になっている。立憲民主党は標的を安倍政権よりも国民民主党に定めているように見える。野党勢力内での覇権を確立しようと考えているのであろう。従って、現実的な対案を提示することができない。