7日、プラハで握手を交わすチェコのフィアラ首相(左)とウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター
【ローマ=倉茂由美子、カイロ=西田道成】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6日、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国のブルガリア、チェコ、スロバキア、トルコの歴訪を開始した。加盟を希望するNATOの首脳会談が11日に開幕するのを前に、各国からの後押しなどを取り付けたい考えだ。
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7日午前にはチェコでペトル・フィアラ首相と会談した。会談後の記者会見で、フィアラ氏は「ウクライナは将来、欧州連合(EU)とNATOの軍事同盟の中にある」との言葉で加盟支持を表明した。ゼレンスキー氏は「長距離兵器がなければ、攻撃はおろか防衛作戦の実施も困難だ」と述べ、更なる武器支援を求めた。
ウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター
チェコに先立って訪れたブルガリアでは、軍事支援継続の合意を取り付け、エネルギー分野での協力覚書に署名した。米紙ポリティコによると、ロシア寄りとされるルメン・ラデフ大統領との会談では、武器支援に対する姿勢を巡って意見の衝突もあったという。
7日午後に訪問するトルコでは、タイップ・エルドアン大統領と会談し、今月中旬に期限切れとなる黒海経由での穀物輸出を巡り、仲介役のトルコに協力を求めるとみられる。露外務省は4日、「延長する根拠がない」と否定的な見解を示し、揺さぶりをかけている。