民主党議員「中立性と客観性喪失」強く批判 グロッシ「安全基準に合致」…代案検討には沈黙
共に民主党の議員たちは9日、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長に会い、日本による福島第一原発の汚染水の海洋放出計画を安全だと評価したIAEAの総合報告書について「日本偏向的検証」だと強く批判した。グロッシ事務局長は、海洋放出以外の代案の検討を日本に要求しようという民主党の主張には答えなかったものの、他の国際機関と協議体を作って汚染水を検証すべきだとの提案には共感を示した。
民主党「福島原発汚染水海洋投棄阻止対策委員会(対策委)」に所属する5人の議員とグロッシ事務局長は9日、民主党の要請で国会で1時間35分ほど面談した。取材陣の前で行われた冒頭発言で、対策委の顧問を務めるウ・ウォンシク議員は「IAEAは別の代案に対する検討もすることなく、海洋放出に対する技術的支援と日本政府の要請事項に対する安全性の検討のみに限定した」、「当初から中立性と客観性を失っている日本偏向的検証」だと指摘した。この日で福島第一原発の汚染水放出阻止のための断食14日目のウ議員は「海洋放出が周辺国に及ぼす影響もきちんと調査せず、あらかじめ結論を下し作成された報告書は『セルフ検証』であり『日本に合わせた調査』で、非常に遺憾に思う」と述べた。また「そんなに安全だと確信なさるなら、水不足の国である日本が国内で飲み水にして飲むか、それとも工業用水や農業用水として使うよう日本政府に勧告する意思はないのか聞きたい」と述べた。
対策委員長のウィ・ソンゴン議員も「IAEAはこのかん指摘されてきた一般安全指針(GSG)違反などの汚染水海洋放出の正当性確保、最適な代案なのかなどについて検討せず、日本政府に責任を転嫁した」とし「福島第一原発の汚染水海洋投棄を容認することは、全世界の高レベル核廃棄物の海洋投棄に対するシグナルになりうる」と指摘した。
グロッシ事務局長は議員たちより前に行った冒頭発言で「みなさんの懸念と憂慮は心から理解している」と述べつつも「国際安全基準に合致するやり方で結論が下された」と強調した。同氏は議員たちが自身の面前で強硬な発言を繰り返すと、苦々しい笑みを浮かべるなど、困惑した様子を見せた。国会本庁の外で汚染水放出に反対する市民たちが「ゴーホーム(Go home)グロッシ」と叫ぶ声が面談会場内に聞こえてきてもいた。
民主党は面談で、海洋放出以外の固化保管などの代案の検討▽海洋放出日程の延期の日本への共同要請、を提案したが、グロッシ事務局長からの返事はなかった。イ・ソヨン院内報道担当が語った。
ただしグロッシ事務局長は、IAEAは世界保健機関(WHO)などの別の国際機関と共に新たなガバナンスを作って汚染水問題を検証・分析すべきだとの提案には、共感するとの趣旨で答えたという。イ院内報道担当は「グロッシ事務局長も本日のこの面談では十分ではないということを認め、本日提起された質問と提案に対して今後真剣に扱うと答えた」と語った。
IAEAはこの日、民主党が事前に書面で送った14の質問に対する回答書を渡した。民主党は内部での検討を経て、回答書を公開する計画だ。
イ・ウヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )