12日、キーウ上空で爆発する無人機=ロイター
ウクライナ空軍などによると、ロシア軍は12日未明、ウクライナの首都キーウなどに自爆型無人機15機を発射し、ウクライナ軍が11機を撃墜した。露軍は11日未明にも自爆型無人機28機でキーウなどを攻撃しており、2日連続となる。米政策研究機関「戦争研究所」は11日、露軍の無人機攻撃は開催中の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を意識したものだと分析した。
ウクライナ軍南部方面部隊によると、11日の攻撃では南部オデーサ州の穀物ターミナルが被害を受けた。オデーサ港は、17日に期限を迎えるウクライナ産穀物の輸出を巡る合意に基づく主要な穀物の積み出し港になっている。
これに対し、ウクライナ軍は露軍への大規模な反転攻勢の一環として、長射程兵器で露軍占領地域後方への攻撃を続けた。地元メディアなどによると、ウクライナ軍が反攻で奪還を目指す南部ザポリージャ州の港湾都市ベルジャンシクの宿泊施設が11日、攻撃を受けた。露軍の防衛作戦を指揮する南部軍管区副司令官を含む露軍兵士ら数十人が死亡したという。露軍占領地域の要衝トクマクでも複数回の爆発があった。
一方、複数の露軍事SNSは11日、ザポリージャ戦線で露軍の主力を担う第58軍の司令官が、配下の部隊の休養をワレリー・ゲラシモフ参謀総長に打診したところ、司令官を解任され、戦闘の最前線に送られたと伝えた。露軍兵士の士気低下が進んでいる可能性がある。