ドイツ国旗
【パリ=三井美奈】ドイツ政府は13日、中国戦略を策定したと発表した。欧州連合(EU)の方針に沿って、対中関係では「リスクを減らす」ことを重視。ドイツ企業が中国市場への依存を深めることに、警鐘を鳴らした。
【写真】ドイツのベーアボック外相
ベーアボック独外相は発表に当たって、「ドイツは変わった。中国政策も変わった」と述べ、中国との経済関係を重視したメルケル前政権との違いを強調した。
戦略では、多くのドイツ企業が中国市場に進出している現状に触れ、「中国がルール重視の国際秩序からさらに離脱していけば、中国市場への重度の依存は問題をもたらす。企業や団体にとっても同様だ」と明記した。「過剰なリスクを回避」するため、企業や産業団体との話し合いを進める方針を示した。政府はドイツ企業への信用供与にあたって、「技術移転の危険性」を考慮するとした。
中国はドイツにとって、最大の貿易相手国。特に、自動車産業は対中依存が強い。フォルクス・ワーゲン(VW)やBMWなど大手企業が、中国の電気自動車(EV)市場に期待して、中国への投資を発表していた。