キャンプ用品を勝手に発注、組合員の農機具修理代に費用紛れ込ませる…ＪＡ職員８人が不正

　ＪＡ上伊那（長野県伊那市）は１５日、２０１７年から今年にかけて、農業機械課の職員２人が私的利用や転売目的でキャンプ用品などを発注し、横領していたほか、２人を含む職員８人が自身の仕事に使う物品を勝手に発注するなどの不正をしていたと発表した。

　同ＪＡによると、今年４月の内部監査で発覚し、被害総額は約２３０万円に上った。同課の４９歳と３４歳の男性職員２人は保冷温庫やランタン、発電機、自動車部品を勝手に注文し、横領していた。また、２人を含む８人は、仕事用に自身の気に入った工具などを勝手に注文したり、伝票作成に関わったりした。これらの代金は、組合員の農機具の修理費用に紛れ込ませて組合員に請求するなどしていた。

　同ＪＡは、私的利用が目的だった２人を懲戒解雇とする方針だが、被害の全額が弁済されたため、刑事告訴はしないという。すでに退職している１人を除く５人についても厳正に処分するとしている。被害を受けた組合員３３人には、役員らが１４日に事情を説明し、謝罪した。

　西村篝組合長は取材に「信頼回復に向けて一丸となって取り組む」と話した。