
ウクライナ国旗
ロシアに対するウクライナの反攻作戦で、ウクライナ国防省の広報官は18日、東部ドネツク州西部の集落スタロマイオルスコエまでウクライナ軍が到達し、露軍と市街戦を開始したと明らかにした。ウクライナメディアが伝えた。同集落は反攻の主軸の一つである南部ザポロジエ州方面に位置しており、ウクライナ軍が徐々にだが着実に前進していることが示された形だ。
【写真】回収したロシア軍のT72戦車を修理するウクライナ兵
米シンクタンク「戦争研究所」も16日、ウクライナ軍がスタロマイオルスコエ周辺で一定の前進に成功したと分析していた。
ウクライナ軍はザポロジエ州方面での反攻で、アゾフ海まで南下して露軍の支配下にある「陸の回廊」を分断し、露軍の補給を困難にすることで、隣接する南部ヘルソン州などの被占領地域の奪還につなげる戦略だとされる。ただ、露軍が構築した強固な防衛線に直面し、ウクライナ軍は慎重な前進を強いられている。
ウクライナのシルスキー陸軍司令官も英BBC放送が18日に報じたインタビューで、露軍の防衛線と地雷原を突破するのは容易ではないと説明。「反攻の早期成功は現実的に不可能だ」と述べ、反攻が長期化するとの見通しを示した。
ウクライナは17日、ザポロジエ州方面での反攻に関し、これまでにアゾフ海までの距離約100キロのうち9キロ超の前進に成功し、約180平方キロメートルの領土を奪還したと発表。ドネツク州バフムト方面を含めると、奪還した領土は計約210平方キロメートルになったとした。