緊密だったポーランドとウクライナの関係に変化、穀物輸出を巡り激しく対立

[ad_1]

緊密だったポーランドとウクライナの関係は穀物輸出を巡る問題で激しく対立しており、ポーランドのモラヴィエツキ首相も「我々は自国の名誉と安全保障が最優先で、他国の利益を優先するつもりはない」とキーウ側の対応を激しく非難した。

ミサイル着弾事件の時に見せた寛容さは微塵もなく、ウクライナは政治的にポーランドを怒りを買ってしまった可能性がある

ロシアはウクライナとの穀物協定延長を拒否、協定期限が切れた18日から穀物輸出の拠点=黒海に面したオデーサ港、チョルノモルスク港、イズマイル港を集中的に攻撃し、この影響でウクライナの穀物輸出量は6月と比較して40%も減少、さらに8月2日未明の攻撃でイズマイル港が大きな被害(アフリカ、中国、イスラエル向けの約4万トンの穀物と港湾施設に重大な被害が発生)を被り、シカゴの小麦価格は被害の知らせを受けて6%以上も上昇した。

欧米諸国はウクライナ産穀物を陸上ルートで輸送できないか検討中だが、ポーランドのヤブロンスキー外務次官は2日「キーウ当局の発言によってウクライナとの関係は良い状態とは言えない」と述べて注目を集めている。

侵攻後に安価なウクライナ産穀物が欧州に流入したせいで「EU域内の穀物価格」が大幅に値下がりし、これに怒った加盟国の生産者達は「ウクライナ産穀物のせいで経済的な被害を被った」と激しく抗議、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアは独自にウクライナ産穀物の国境通過をブロックしたため大きな問題になったが、EUが「この5ヶ国を通過するウクライナ産小麦、トウモロコシ、菜種、ヒマワリ種の輸入を6月5日まで禁止する」と発表。

緊密だったポーランドとウクライナの関係に変化、穀物輸出を巡り激しく対立

出典:pixabay

最も激しく怒っていたポーランド人生産者は政府に「(一時的な措置ではなく)EUを動かして恒久的な関税を導入しろ」と要求していたため、この決定に落胆した生産者の怒りは政府に向けられ、コワルチク農業相は「残念だが(関税導入という)要求には応えられない」と述べて辞任に追い込まれてしまった。

この禁止措置は現在「9月15日」まで有効で、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアは「禁止措置の期間を2023年末まで延長すべきだ」と主張しているが、黒海ルートによる穀物輸出が困難になったゼレンスキー大統領は「ウクライナ産穀物の陸上輸送を9月15日以降も阻止するのは容認できない」と述べ、フランスやドイツといった主要国はウクライナ側の立場を支持しているものの、ポーランドは「もしEUが期限の延長に応じないなら独自に輸送をブロックする」と主張し、緊密だったポーランドとウクライナの関係は7月を境に対立へと変化してしまう。

緊密だったポーランドとウクライナの関係に変化、穀物輸出を巡り激しく対立

出典:Денис Шмигаль Прем‘єр-міністр України

当初の対立は目立たたない小さいものだったが、ポーランド大統領府の高官が7月末「我々は収穫時期を迎えており、この穀物は貯蔵され適正な価格で販売しなければならない。ウクライナは我々から多くの支援を受け取っている。ポーランドがウクライナのために果たしてきた役割をキーウ側は評価するべきだ」と発言、この発言についてウクライナ側は「ポーランドは沢山の支援を与えたのだがらウクライナはもっと感謝すべきだ(我々の事情にも配慮しろor感謝の欠如)」と解釈。

ウクライナ外務省は直ぐにポーランド大使を召還して発言の真意を問いただし、シビガ大統領府副長官も「我々がポーランドの支援に感謝していないという嘘を広めようとする試みに断固として反対する。これは明らかにご都合主義的な利益を巡るポーランド側のゲームで、現実とは無関係の印象操作だ。大統領間には友好的でオープンな対話があり強固な相互理解と相互信頼がある」と反発したが、今回のポーランドにはミサイル着弾事件の時に見せた寛容さは微塵もない。

ポーランド外務省も直ぐにウクライナ大使(大使はキーウに一時帰国中だったため代理の人物)を召還、さらにモラヴィエツキ首相も「ポーランド大使は侵攻当日にキーウに踏みとどまった国家を代表する唯一の人間で、これを外務省に召還するというのは絶対に間違っている。国際政治において、現在行われている戦争において、ポーランドがウクライナに提供している莫大な支援を考えれば、このような過ちはあってはならない。我々はポーランドの名誉と安全保障を最優先に考えており、他国の利益を我々の利益より優先することはない」とキーウ側の対応を激しく非難。

ウクライナメディアはモラヴィエツキ首相の反応について「我々の対応は首相の機嫌を損なうものだったらしい」と報じているため、今回もポーランド側が「寛容さ」を示すと期待していたのかもしれない。

因みにゼレンスキー大統領は事態を収拾するため「ポーランドの歴史的な支援に深く感謝している。我々とポーランドの強固な絆に亀裂はない。我々は両国関係を台無しにするような如何なる政治的瞬間も容認しないし、今は感情的になるよりも冷静になるべきだ」と訴えたが、ポーランド側の反応は冷ややかだ。

ポーランドのヤブロンスキー外務次官は「キーウ当局の発言によってウクライナとの関係は良い状態とは言えない。ウクライナはロシアの侵略を受けている立場なので『我々の寛大な立場』に変更はないが、ウクライナは支援している同盟国を攻撃すべきではない。我々はポーランドの国益に基づいて行動しているだけで、この国益にかなう範囲でしか支援を行わない。これまでもそうだったし、これからもそうだ」と述べており、ウクライナは政治的にポーランドを怒りを買ってしまった可能性がある。

ポーランドが遂にウクライナ批判、築き上げた関係を台無しにする気か?
ウクライナの外務副大臣人事にポーランドが反発、不幸な出来事でもっと配慮すべき
ポーランド、ウクライナ人専門家による爆発現場での調査を許可してない
ポーランド着弾のミサイル、ウクライナ空軍が自軍のものだった可能性を認める
ミサイル問題、ゼレンスキーはNATO加盟国を第三次大戦に引きずりこもうとした
NATO加盟国の外交官、ウクライナは公然と嘘をついて我々との信頼関係を破壊した
ポーランド領に着弾したのはウクライナ軍が発射したS-300の迎撃弾か

 

※アイキャッチ画像の出典:Serwis Rzeczypospolitej Polskiej

[ad_2]

Source link