<北朝鮮内部>軍隊にも広がる栄養失調 「盛りは食器に半分だけ。部隊員の過半はフラフラ」と兵士証言 軍事パレードは派手なのに…


<北朝鮮内部>軍隊にも広がる栄養失調 「盛りは食器に半分だけ。部隊員の過半はフラフラ」と兵士証言 軍事パレードは派手なのに…

(参考写真)市場で買い物する痩せた軍人は将校だった。この20数年、人民軍内の食糧供給不足は常態化している。2013年8月に撮影アジアプレス

<北朝鮮写真・動画> 秘密撮影された栄養失調で衰弱する人民軍兵士 「激やせ」で動けぬ者も

◆「味噌以外おかずありません」

ある部隊の20代後半の兵士は、「トウモロコシの粉に『安南米』(長粒米)を混ぜたものが出ているが、量は食器の半分にも満たないくらいだ。味噌以外に副食は何もなく、部隊の半数以上が栄養失調状態だ」と、取材協力者に述べた。

また、農村に援農作業と警備のために駐屯している部隊の兵士は、「小麦と大麦が出ているがまったく足りていない。それでも原隊よりずっとましだ」と別の協力者に述べた。腹を空かせた兵士たちは川で魚を捕まえたり山菜を採ったりしてしのぎ、農民たちがおかずを分け与えていたという。

◆兵士によるタカリ、盗みが増加

北朝鮮では7月に入って新型コロナウイルスに対する防疫措置が緩和された。それまで軍の将兵が一般住民と接触することは厳しく制限されていたが、緩和された。すると待遇が悪化した兵士による犯罪も増えた。

都市部では兵士が住民に言いがかりをつけて、ゆすり・タカリ、物品を奪う事件が頻発している。軍民関係の悪化を憂慮する当局は、兵士の夜間の外出を統制したり、不良行為を犯した兵士が所属する部隊員に連帯責任を問うたりするなど、規律強化で臨んでいるという。関連して、協力者は次のように述べた。

「7月に両江道である部隊の兵士が鶏を盗んで食べた事件があって、中隊長が1週間謹慎処分になった。『ばれないように盗め』が部隊の中で合言葉になっていると、兵士が言っていた」

アジアプレスの取材協力者が話を聞いた兵士は少数であり、駐屯する地域や部隊によって待遇に差がある可能性がある。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。



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