「600年も雨水が溜まらぬ」北京・故宮、今夏の大雨で異変

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「600年も雨水が溜まらぬ」北京・故宮、今夏の大雨で異変

北京故宮建物の周囲にある欄干の柱の下には精巧な石造りの竜頭があり、その口から水を吐き出して排出する光景(2023年7月31日撮影)。

 紫禁城とも言われる故宮(Forbidden City)は、明朝の永楽年間を中心に建設され、明・清朝の歴代皇帝が過ごした。北西部が高く東南部が低い北京市全体の地形に合わせ、故宮に敷き詰められた石畳の地面は北が高く南が低く、中間が高く両側が低いという形になっている。この緩やかな傾斜で雨水をゆっくりと排出していく。

 屋根はロールケーキのような形をした筒瓦と平面の板瓦が交互に並び、雨水は板瓦を通って一筋の流れを作り、軒先から地上に滞りなく流れていく。庭の周囲には水路が設けられ、この水路から地下の排水路に流れていく仕組み。故宮の排水路は長さ15キロにおよび、このうち地下が13キロを占めている。故宮は地上の美しさを保ちながら、人知れず雨水の排出を続けているわけだ。

 また、建物の周囲にある欄干の柱の下には精巧な石造りの竜頭があり、その口から水を吐き出して排出。雨の日は竜吐水の光景が観光客を楽しませている。

 ところが今年7月22日、北京で大雨が続き、故宮の一部敷地で一時、最大17センチの水がたまった。短時間で排水されたが、SNSに画像が投稿され、「故宮に水が溜まった!」と話題となった。

 故宮博物院管理部の狄雅静(Di Yajing)主任は、「地下排水路を調べたところ、ペットボトルやビニール袋、タオルなどが詰まっており、排水能力が落ちていた」と説明する。600年前には存在しなかった文明の産物により、先人の知恵が詰まった排水システムが妨げられていた。

 現代の故宮はそもそも、15世紀の排水システムに頼り切っているわけではない。明・清朝の時代は毎年3月に地下水路を開いて大掃除をしていたが、現代では春、夏、秋の年3回にわたり、地下水路の泥や障害物を排除する浚渫(しゅんせつ)作業をしている。石造りの竜頭もスムーズに水を吐き出すよう、口の中を「歯磨き」するように掃除している。

 そして故宮周囲の現代的排水システムと連結して、スムーズな排水を続けている。大雨が続く異常気象やごみのポイ捨てに対応しながら、600年前の知恵と現代の最新技術を駆使して、故宮は今も美しい姿を保ち続けている。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

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