検出された「PFAS」という化学物質が、発がん性や子供の成長に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。水道水の水源からも検出されており、住民は不安を抱えています。

発がん性や子供の成長に悪影響の可能性

愛知県・豊山町は、県営名古屋空港や自衛隊小牧基地などがある航空産業の町です。この町の水道水の水源からは、有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出され、問題となっています。京都大学の小泉昭夫名誉教授によれば、豊山町の住民の中にはアメリカの指標を超える血中濃度を示す方もおり、豊山町民の生活と健康を守る会の野崎八十治共同代表は、「自慢の水道水だったんですが…」と話しています。PFASは人工的につくられ、分解されにくい特性から「フォーエバーケミカル(永遠の化学物質)」とも呼ばれています。近年のアメリカの研究では、腎臓がんなどの発がん性のほか、抗体反応の低下や子供の成長にも悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

検出されるPFAS「泡消火剤」が原因か

東京の米軍横田基地からPFASを含んだ「泡消火剤」が漏れ出ていたことが発覚し、多摩地区の複数の水道水の井戸水からもPFASが検出されています。そのため、2019年以降、水道水の供給が停止されるケースが相次いでいます。東海地方でも検出が続いており、岐阜県・各務原市では三井水源地の井戸から、目標値を11倍上回る「PFAS」が検出されました。岐阜県・各務原市の小島剛水道部長によれば、「市内水道の水源である2つの水源地の水質検査を行ったところ、超過する値が確認されました」とのことです。また、愛知県・豊山町でも高濃度のPFASが検出され、現在も配水が停止されています。

このような状況から、化学物質「PFAS」の検出により、住民は不安を抱えている状況です。検出源の特定や問題の解決に向けて、専門家や関係者の取り組みが求められています。

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