干ばつによる制約
パナマ運河は、中米パナマで深刻な干ばつに見舞われており、海上交通の要衝である運河では通過を待つ貨物船の「渋滞」が発生しています。運河当局は水不足を理由に、通過する船舶の数や重量を制限しています。ロイター通信によれば、この措置は少なくとも今後10カ月は続く見込みです。
パナマ運河の概要
パナマ運河は太平洋と大西洋を結ぶ全長約80キロの水路です。水門で区切った複数の区画の水位を上下させることにより、船を通す仕組みが採用されています。1隻が通過するためには2億リットルの水が必要ですが、貯水池の水位が低下しているため、現在は節水のために通過船舶を32隻に制限しています。この通航制限は、輸送の遅延とコストの増加を引き起こしています。
干ばつの深刻さ
パナマは通常、雨の多い地域として知られており、雨期は5〜12月頃に訪れます。しかしながら、米CNNによると、今年の夏にかけての降水量は過去100年で最も少ない状況だと報じられています。直近では19〜20年にも干ばつを経験しています。運河当局は「現在の深刻さと干ばつの再発は歴史的に前例がない」と述べ、長期的な気候変動への適応策について調査を進めています。