<わかる!沖縄>辺野古の海の埋め立てって今、どうなっているの?

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沖縄県名護市の辺野古では、アメリカ軍の基地移設に伴う海の埋め立て工事が進行中です。この記事では、辺野古の海の現状について詳しく解説します。辺野古の海を埋め立てる工事は、現在どのような状況にあるのでしょうか?

辺野古の海の埋め立て工事の現状

2018年12月に政府が海に土砂を投入して埋め立て工事を始めました。計画では、辺野古のアメリカ軍基地(キャンプ・シュワブ)の東側と南側の沿岸部約152ヘクタールを埋め立てる予定です。まずは、水深が浅い南側から工事がスタートしました。現在、南側の海域約41ヘクタールは土砂で埋まり、かさ上げ工事が進行中です。

一方、水深が深く、広い範囲の東側(大浦湾側)では、一部の護岸が造られましたが、工事はほぼ停滞状態です。軟弱な地盤が広がっているため、護岸を建設しても沈下や崩壊のリスクがあるためです。政府は地盤を固める改良工事を予定しています。

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辺野古の海の埋め立ての目的

辺野古の海の埋め立て工事の目的は、アメリカ軍が使用する飛行場を作ることです。現在、沖縄本島中部の宜野湾市には普天間飛行場がありますが、この飛行場は市街地の中心に位置しており、事故の危険性や騒音問題が指摘されています。そのため、普天間飛行場の代替として、辺野古の沿岸部に新たな飛行場を建設することになりました。

新しい飛行場の完成時期

政府によると、工事が完了しアメリカ軍が使用可能になるまでには12年かかる見込みです。つまり、2030年代になる予定です。特に、東側の海域の軟らかい地盤を固めるためには、約7万1000本の砂の杭を海底に打ち込む大規模な工事が必要です。また、総工費も当初予想の2.7倍になる約9300億円が見込まれています。

ただし、この「12年」という期間は、地盤改良工事を開始してからの期間を指しています。工事を開始するためには、沖縄県の玉城デニー知事の「承認」が必要ですが、知事は2021年11月に工事を「認めない」という処分を出しました。玉城知事は、すでに沖縄には多くのアメリカ軍基地が集中しており、新しい飛行場を県内に造ることに反対しています。これまでの選挙や県民投票でも、多くの県民がその考えを支持しています。

地盤改良工事の承認に関しては、政府と沖縄県の間で裁判が争われています。今後の裁判結果次第で、辺野古の工事が進むかどうかが決まることになります。

参照リンク: 日本ニュース24時間