フィリピン航空機、福岡の「門限」を逃してUターン 乗客を11時間も機内に缶詰め状態に

着陸を断念し北九州空港にダイバート

フィリピン格安航空会社(LCC)「セブ・パシフィック航空」の航空機が4日、福岡空港に着陸できずにUターンすることが判明しました。航空機は目的地から約60キロ離れた北九州空港にダイバート(代替着陸)しましたが、乗客を降ろすことはできず、福岡空港の「門限」である午後10時を過ぎたため、マニラに再び引き返すことになりました。乗客はマニラを離陸してから約11時間も機内に閉じ込められることになりました。

福岡空港の混雑による離陸断念

国交省福岡空港事務所によると、この航空機は4日午後4時25分ごろにマニラの空港を離陸し、福岡空港に着陸しようと試みましたが、福岡空港の上空が混雑していたため、「ゴーアラウンド(着陸やり直し)」を行いました。再び着陸態勢に入る前に燃料が足りなくなる恐れがあったため、急遽北九州空港への変更を決定し、そこに着陸しました。

ダイバート先での入国手続き不可能

北九州空港で入国手続きができなかったため、乗客は降りることができず、その間に福岡空港の門限である午後10時を過ぎてしまいました。航空機は北九州空港で給油し、翌日の5日午前0時16分に離陸し、マニラの空港に着陸しました。福岡空港は住宅街に近接しているため、騒音対策のため、午前7時から午後10時までの間以外の離着陸は原則許可されていません。

セブ・パシフィック航空の日本の広報担当者は「事実関係を確認中」とコメントしています。

専門家からの提言

航空政策に詳しい崇城大工学部の渡辺武憲教授は、「国際線が出発地に戻るのは珍しい」と指摘します。また、飛行機が別の空港に着陸しても受け入れ態勢が整っていなければ乗客は降りることができません。インバウンド(訪日外国人)が増える中、航空会社間で地上支援業務を連携強化するなどして緊急時も円滑に対応できる体制を構築すべきだと話しています。

フィリピンの格安航空会社(LCC)セブ・パシフィックの航空機

この記事の情報は日本ニュース24時間から引用しました。

情報源リンク:https://news.yahoo.co.jp/articles/789559023938333176e2308a1a6e759b06e8f0a5