期待外れの春に散る
横浜流星（26）の今年2作目の主演映画「春に散る」（ギャガ）の成績が振るわず、NHKの大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」の制作スタッフたちも困惑している。
ボクシング映画で佐藤浩市、橋本環奈、窪田正孝も共演
「春に散る」は、前作「ヴィレッジ」（KADOKAWA/スターサンズ）に続く横浜の主演映画で、佐藤浩市（62）、橋本環奈（24）、窪田正孝（35）など豪華共演者も出演している。撮影終了後に横浜がボクシングのプロテストに合格し、C級ライセンスを取得したことも話題となり、来年の日本アカデミー賞・主演男優賞の有力候補とされている。
ヴィレッジを下回る結果に
しかし、8月25日の公開から3日間の成績は観客動員数約5万4000人、興行収入は約7429万8000円という期待外れの数字だった。このままでは最終興行収入が3億円を超えるかどうか微妙な予測となっている。なお、「ヴィレッジ」は2億円にも届かなかった。
Gメンが好調
さらに残念な結果となったのは、同じ日に公開されたKing & Prince元メンバー岸優太（27）の初主演映画「Gメン」（東映）である。予備評判はあまり高くなかったが、観客動員数は約14万9900人、興行収入は約2億980万円と、「春に散る」のほぼ3倍の数字を記録し、堂々の初登場2位となった。「春に散る」は10位に食い込むことがやっとだった。
映画の内容に賛否両論
「Gメン」は学園もののボクシング映画であり、集客力は「春に散る」よりも低かったかもしれないが、SNSでは、「なんとな～くメッセージは伝わってきたけど…背景の人間関係やボクシングの部分が全体的に薄っぺらいっていうか、かる～いんだよね…」、「登場人物が全員何か深刻なバックストーリーを抱えているようだったが、それぞれが中途半端で…割愛し過ぎでは？」といった意見も出ている。この映画が必ずしもボクシングファンの心を掴んでいるわけではないようだ。
大河ドラマの不安
「春に散る」の期待外れな成績に、NHKは大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」で横浜を主演に起用したことに慌てている。NHKの制作スタッフたちは、「べらぼう～」の放送まで、横浜の出演作品が映画でもドラマでも何かしらうまくいくことを願っている。
「今、大河を取り巻く状況は決して芳しくありません。昨年の『鎌倉殿の13人』で視聴率の改善傾向が見え始めたものの、今年の『どうする家康』がそれに水を差してしまいました。視聴率低迷の原因は脚本家の古沢良太氏が歴史の考証を重視しない作風と、歴史好きな大河ドラマファンのギャップとも言われています。この負の流れが尾を引かなければいいのですが…」（ドラマ制作関係者）
嵐の松本潤（40）が主演の大河ドラマでも話題性だけでは視聴率が上がらないのかもしれない。史料の少ない平安時代が舞台の次作「光る君へ」、そして「べらぼう～」が大河ファンのNHK離れを一層加速させる可能性もある。
苦戦必至の主演大河ドラマ
NHKからの大河ドラマ主演オファーを受けた際、横浜は驚きを隠せなかったという。果たして、残り2年弱で事態を好転させることができるだろうか。
（芋澤貞雄／芸能ジャーナリスト）
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