中国で話題の「天津おやじ」、獅子林橋での飛び込みに注目

「天津おやじ」とは?

天津と言えば、日本人には「天津甘栗」や「天津飯」といった料理が思い浮かぶかもしれませんが、地元の天津ではあまり知られていません。しかし最近、地元の飛び込み達人「天津おやじ」が中国のネット上で大きな話題を呼んで注目されています。

中国北方の都市・天津には、長さ100メートルの獅子林橋があります。数十年前から、地元のおやじたちはこの橋に集まって飛び込みを楽しみながら体を鍛えてきました。そして最近、おやじたちの飛び込みの映像がネット上で拡散され、大きな人気を呼んでいます。100メートルの獅子林橋には、おやじたちの飛び込みをライブ配信したり、ライブコマースを行ったりするインフルエンサーが殺到し、朝から夜まで賑わっています。実際、「世界で飛び込みのドリームチームは中国勢で、中国で飛び込みの達人は天津おやじ」とまで言われています。

「天津おやじ」の人気上昇

実は、飛び込み達人の「天津おやじ」が旬の人になったのは、数日前に遡ります。あるおやじが飛び込む前に、即興で中国の漫才、相声を披露しました。そのシーンがあるネットユーザーに撮影され、動画共有アプリに投稿されて人々の注目を集めました。獅子林橋で数十年も飛び込みを楽しんできた天津おやじたちは一気にネット上の有名人となり、獅子林橋も旬のホットスポットとなりました。おやじたちの飛び込みを見るために多くの人が天津を訪れ、おやじたちの飛び込みをライブ配信する人もいれば、そのまねをして飛び込みにチャレンジする人もたくさん現れました。

この人気上昇に伴って、獅子林橋も人気スポットになりました。1954年に架けられたこの橋は、地元では交通面で重要な役割を果たすだけでなく、1181個もの大小さまざまな獅子の彫刻が施されています。地元の住民は幼少期から獅子林橋の獅子の数を数えながら育ち、大人になってからは自分の子どもを連れてここの獅子を数えに来ているのです。

安全の確保と今後の課題

しかしながら、現在獅子林橋は朝から晩まで混雑しており、通行人や車の通行に支障をきたしています。また、人混みによる混雑は安全上の危険性も増しています。ここ数日、地元の交通管理部門や警察、ボランティアは橋の両端で秩序の維持や飛び込もうとする人への注意に力を入れ、治安部門もパトロールを強化して、水上パトロール船を出して飛び込む人への注意と救助に最善を尽くしています。

一部では、「違法な飛び込みは一律に禁止すべきだ」という声も上がっていますが、専門家は地元高齢者の趣味やライフスタイルを尊重するため、一概に禁止するだけで解決する問題ではないと指摘しています。都市河川の開発によって、住民が飛び込みを楽しめる公園や、観光客が観賞しやすい場所を提供することが必要です。

このような課題があるものの、天津おやじの飛び込みは人々にとってのエンターテイメントとして根付いており、地域の活性化にも一役買っています。

天津おやじの飛び込み