ウクライナ軍の反転攻勢から3カ月が経過
ウクライナは、ロシアへの反転攻勢を開始してから3カ月が経過しました。ウクライナ軍は南部ザポロジエ州で、ロシア軍の第1防衛線を複数地点で突破したと報じられ、戦況が徐々に動き始めました。
ウクライナ軍の前進と新たな局面
「我々は今、第1防衛線と第2防衛線の間にいます」と、ウクライナ軍南部作戦の指揮官であるタルナフスキー司令官は述べました。
ロシア軍が築いた主要な防衛線は3つあります。それは地雷原や溝、障害物などで構築された堅固なラインです。ウクライナ側は8月末に第1防衛線の一部であるロボティネ集落を奪還し、9月1日には第1防衛線を複数地点で突破したと発表しました。
ウクライナ軍は現在、南下を続け、第2防衛線への攻撃に入ったようです。タルナフスキー司令官は、ロシア軍が第1防衛線の構築に時間と資源の6割を費やしたと推測しています。また、第2防衛線には限られた数の地雷しか敷設されておらず、これがウクライナ軍にとって有利に働くと考えられています。
ウクライナ軍の挑戦と目標
ウクライナ軍は、ロシア占領地域を東西に分断し、アゾフ海を目指して南進する計画です。その最終目標は、ザポロジエ州のメリトポリやクリミア半島との境界まで道を開くことです。
現在、ウクライナ軍の注目の的は、ロボティネから南に約25キロ離れた要衝トクマクの奪還です。
一方、露軍側では、東部ルガンスク州に展開していた部隊を南部戦線に移動させる動きが見られます。米シンクタンク「戦争研究所」の報告書によれば、この再配置はウクライナ側の前進を受けて、ロシアが防衛の安定性に対する懸念を抱いていることを示唆しています。
今後の展望と課題
秋に入るとウクライナは長雨に見舞われ、地面がぬかるむため戦車の移動が困難になることが予想されます。さらに冬に入ると戦闘はさらに困難になるでしょう。ウクライナ側がどれだけの成果を上げるかは、欧米の軍事支援を継続する上でも注目されています。