【論壇時評】5月号 脱グローバルで中国依存に終止符 論説委員・岡部伸

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スペイン・マドリードで臨時に設けられた病院。展示場を仕切ってつくられた=今月2日(AP)

スペイン・マドリードで臨時に設けられた病院。展示場を仕切ってつくられた=今月2日(AP)

 中国・武漢発のコロナウイルスが燎原(りょうげん)の火のように広がり、世界が混乱に陥っている。欧州がパンデミック(世界的大流行)震源地となり、22日死者が17万4千人を超え、増加の勢いは衰えない。冷戦終結以来、世界経済発展の原動力となったグローバリズムが被害とパニックを増幅させた。グローバル化を先導してきた欧州連合(EU)は、「移動の自由」の理念を破って各国が国境を封鎖して存続の危機だ。日本はじめ自由主義国は民主的に封じ込め、強権主義の中国に依存する経済体制の見直しが迫られている。

 月刊各誌は、5月号で、「コロナ戦争」(『文芸春秋』)、「コロナ直撃 世界激変」(『中央公論』)、「どうするコロナ危機」(『Voice』)などと特集した。

 1989年にベルリンの壁が崩壊し、91年にはソ連が崩壊し冷戦が終わった。それから約30年。東欧も資本主義に参入し世界はグローバリズムに突入した。

 京都大学名誉教授の佐伯啓思は、『文芸春秋』で、流行拡大が急速で各国がほぼ同時に同じ問題に直面したことに対し、「この二〇~三〇年間のグローバリズムがなければ、あり得なかったことです(中略)。『グローバル経済がいかに脆(もろ)いか』を白日の下に晒(さら)しました。これまでグローバリズムを推し進め、妄信してきたことの“しっぺ返し”のようにです」と背景にあるグローバリズムの弊害を指摘した。

 批評家・作家の東浩紀は、『中央公論』の「時評」で、「今回のコロナ禍はグローバリズムに凄まじいブレーキをかけるだろう」と訴え、「流行収束後、今回の各国の対応はビジネスや国際交流の現場に大きな影を投げかけることになるだろう。いくら口先ではグローバリズムを訴えていても、いざとなったら各国は簡単に国境を封じるし、外国人は帰国する、その現実がだれの目にも明らかになってしまったからである」と脱グローバルとなると予測する。

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