令和初の参院選が終わった。与野党の「主戦場」となった32の改選1人区では、立憲民主や国民民主、共産などが擁立した野党統一候補が10選挙区で競り勝ち、3年前の11勝とほぼ同水準の結果になった。野党からは「大変大きな成果」(共産党の志位和夫委員長)との声も出るが、実際はどうか。選挙結果のデータは、むしろ共闘の限界を示しているように思われる。
「1人区はご心配をいただいたが、自民党との一騎打ちの構造を作ることができた。野党はしっかりまとまって戦うことができた」
立民の枝野幸男代表は開票日の21日夜のテレビ東京番組でこう述べ、1人区で統一候補をそろえた野党の戦いぶりを評価した。
しかし、本当に自民を追い込むような結果を生んだのだろうか。
共闘の限界を端的に示すのが、野党統一候補が敗北した22選挙区の得票状況だ。22のうち、当選した自民候補に得票で8割以上まで肉薄できたのは青森、山梨、三重、長崎の4選挙区だけ。北関東や北陸、九州に多い「保守王国」では、前回の平成28年参院選に続き、野党統一候補は大差で自民候補に敗れた。