ジャニーズ事務所の所属タレントを起用した広告やプロモーションの実施を中止する、と花王が発表しました。これは、故ジャニー喜多川元社長による性加害問題を受けたものであり、花王の人権方針の基本的な考え方に反するためです。
花王の決断
花王は、ジャニーズ事務所の改革や取り組みを確認した上で今後の方針を決定するとしています。すでに公式サイトでは、ジャニーズ事務所所属タレントによる過去の一部プロモーションページが削除されています。花王は、「9月7日のジャニーズ事務所記者会見後、性加害の問題について協議しました。広告や販促物などによって、さまざまな思いを抱える方がいらっしゃると考えます。以上の理由から、花王グループで現在展開しているジャニーズ事務所所属タレントを起用した広告・販促物などの展開は、可及的速やかに中止いたします。ジャニーズ事務所とのタレント契約については、今後、ジャニーズ事務所が行う改革や再発防止の取り組みを確認した上で判断します」との方針を示しています。
性加害問題の背景
今年3月に英BBCのドキュメンタリー番組で取り上げられた性加害問題は、元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトが会見で性被害を主張したことで大きな注目を集めました。その後、外部専門家による調査報告書が8月末に公開され、事務所側は藤島ジュリー景子社長の退任と、少年隊の東山紀之の新社長就任を発表しました。
企業の対応
ジャニーズ事務所の性加害問題を受けて、各企業も対応に追われています。広告に起用していたタレントの公開延期や、CMキャラクターの変更などが行われています。東京海上日動火災保険は、嵐の相葉雅紀をイメージキャラクターに起用していましたが、広告契約の解除を検討していることを明らかにしました。日本航空も「適切な対応が取られるまでの間、広告への起用を見送る」と表明しています。
これにより、他の企業も同様にジャニーズ事務所所属タレントを起用した広告や販促を見送る方針を表明しています。具体的には、日本航空、東京海上日動火災保険、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、日本生命保険、サントリーホールディングス、日産自動車、第一三共ヘルスケア、日本マクドナルドなどが該当します。
記事のソース:日本ニュース24時間