訪米中のゼレンスキー大統領、バフムートを含む3つの主要都市解放を明言

訪米中のゼレンスキー大統領が、ウクライナの3つの主要都市の解放を明言しました。バフムートを含むこれらの都市は、ロシアによる占領状態から解放される予定です。ゼレンスキー大統領は反攻作戦についても言及し、「ロシアは多くの軍人を失ったため、一時的な戦いの停止を必要としている」と述べましたが、「反攻作戦の手を緩めるつもりはない」とも明言しました。これは冬季攻勢の準備を示唆しているものと考えられます。

ゼレンスキー大統領の言及から分かる「あと2つの都市」

ゼレンスキー大統領は、米メディアとの対談の中で、「我々はバフムートの占領状態を解除する」と明言しました。「あと2つの都市の占領状態も解除することになると思うが、どの都市のことは明かせない。しかし計画は出来上がっている」と述べ、注目を集めました。

バフムート周辺の戦況
出典:GoogleMap バフムート周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

バフムートの奪還にこだわる理由について、シルスキー陸軍司令官は以下のように主張しています。「バフムートはスラビャンスク、コンスタンチノフカ、シヴェルシク、ホルリウカ、デバルツェボに通じる道が交差する中心地で、この整備された道路網を使用すればロシア軍は少なとも3方向に前進することができ、周囲の高地も押さえれば『次の攻勢』にとって重要な役割りを果たすだろう。そのため周囲の地形よりも標高が低いバフムートで敵を止めることが非常に重要だ」とのことです。

Zelenskiy Official
出典:Zelenskiy Official

また、バフムートを制圧するためには、ワグナー(ロシアの民間軍事会社)が多くの犠牲を払ったという事実があります。「しかし、現在のロシア軍はバフムートを起点とする突出部に戦力を集中しているため、『一種の半包囲状態』にあります。この状況を利用しない手はなく、『敵が支払った代償』の1/10で街を奪還できる条件が整っています」とシルスキー司令官は述べています。

80 окрема десантно-штурмова бригада ДШВ ЗСУ
出典:80 окрема десантно-штурмова бригада ДШВ ЗСУ

ウクライナ軍は既にクリシェイフカとアンドリーフカを解放し、バフムート南部の高台を起点に「T0513」方向への前進を試みることが予想されます。バフムートやソレダルを正面から攻略するのは困難なため、「バフムート方面の突出部」を切り取る方向で攻める可能性が高いと個人的には考えています。

ゼレンスキー大統領が言及した「あと2つの都市」は、トクマクとメリトポリだと思われます。また、反攻作戦についても、「ロシアは多くの軍人を失ったため一時的な戦いの停止を必要としているが、現在進めている反攻作戦の手を緩めるつもりはない」と述べており、一時的な停滞があっても反攻作戦を継続することが明確です。これは、ロシア軍に回復の余地を与えず、消耗から立ち直る時間を与えないという意味です。

ゼレンスキー大統領は「冬季攻勢を実行する」と示唆している可能性が高いです。

この記事の一部抜粋:

※アイキャッチ画像の出典:ПРЕЗИДЕНТ УКРАЇНИ

原文のソースリンク:こちら