危ぶまれるゴーストタウン化、中国不動産大手の経営困難

マレーシアの都市開発プロジェクト「フォレストシティー」のタワーマンション群(2023年9月1日撮影)

マレーシア南部ジョホール州の人工島で進行中の都市開発プロジェクトに、中国不動産開発大手の碧桂園が関与しています。このプロジェクトは総事業費1000億米ドル(約14兆8000億円)もの巨額な投資がなされており、大きな注目を集めています。しかし、現在このプロジェクトは厳しい状況に直面しており、ゴーストタウン化の危機にさらされています。

フォレストシティーの現状

フォレストシティーは中国の中間層をターゲットにした物件を提供することを目指した開発区です。しかし、売り上げは低迷し、中国による外貨管理や新型コロナウイルスの影響による経済活動の停止、さらには中国に対する国内の反発など、さまざまな問題に直面しています。

さらに、碧桂園自体の資金繰りも悪化しており、事態はますます深刻化しています。現在、同社は1960億米ドル(約29兆円)もの債務を抱え込んでいます。今年の1〜6月期には過去最大の赤字を計上し、債務不履行を回避するために債権者に償還期限延長を要請するなどの措置をとっています。

不安定な状況の中での物件購入者の声

フォレストシティーには2万6000件もの物件が存在しますが、その中で5年前に約43万ドル(約6350万円)相当の物件を購入した中国河南省出身のジャオ・ボジアンさん(29)は、「碧桂園が資金難を乗り切ることを期待しています」と述べています。しかし、彼もまた懸念を抱えており、「人が集まらなければ、フォレストシティーで商売ができなくなる」と語っています。

将来の展望と課題

フォレストシティーは中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」の一環として進められており、マレーシアのスルタンも一部出資しています。最終的には70万人の人口を想定していますが、現時点では住民は9000人にとどまっています。

マレーシア南部ジョホール州のフォレストシティーは、かつて碧桂園を高みに押し上げる重要なプロジェクトとされていましたが、現実の厳しさが浮き彫りになってきました。これからの展望としては、碧桂園の資金繰りの改善や販売戦略の見直しが求められるでしょう。

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ソースリンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/687ae5f6c7e8c1fa17f7da6e9f112ee43d134a6a