「体育座り」見直しの動き…体育祭で携帯パイプ椅子使用も、生徒「腰痛くないし集中できる」

画像: 体育祭の開会式で、携帯用パイプ椅子に座る中学生(16日、埼玉県熊谷市で)

「体育座り」の形を見直す動きが、埼玉県内の学校で広がっています。この姿勢は医療関係者から腰痛の原因になると指摘されており、体に負担をかけるという意見もあります。現在、国の手引では「強制するものではない」とされていますが、埼玉県教育委員会は教員向けの研修会で広く周知する予定です。

生活様式は変化

ある熊谷市立の学校では、最近、体育祭の開会式で携帯用の小さなパイプ椅子を使用しています。生徒たちはパイプ椅子に腰掛け、集中して話を聞くことができると好評です。このパイプ椅子は今年度、保護者からの教材費で導入され、全校生徒が使用できるようになっています。体育館や校庭で行われる集会などで選択肢として使われており、生徒たちは従来の体育座りとの選択ができます。

「家庭での座り方が変わった今、体育座りも変える時期だと思いました」と話すのは、この取り組みを進める学校の校長であり、約10年前から生徒たちの長時間の体育座りで腰の痛みを訴える声に耳を傾けていました。生徒たちの意見も聞いた上で、集会の形を見直すことを決断したといいます。

あくまでも「例」

体育座りは1965年に文部省が発行した教員向けの指導手引に「腰を下ろして休む姿勢」として掲載されたものです。その後の改訂にも関わらず、現在でも掲載されていますが、スポーツ庁の担当者は「あくまで例であり、強制するものではありません。各学校は健康を配慮しつつ、状況に応じて判断してください」と述べています。

しかし、実際の現場では「小学校から体育座りをしているので、中学生たちは自然と体育座りをしている」との声も聞かれます。つまり、体育座りは習慣化している側面もあるようです。

「体育座り」について見直しの動きが出てきた一方で、体育祭などでの携帯パイプ椅子の使用も広がっています。生徒たちは腰の痛みもなく、集中して取り組むことができると喜んでいます。これからも、より快適で健康的な姿勢を目指して、学校の教育環境を見直していくことが求められているのかもしれません。

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